2007年09月01日

ERって。。

前回書いた記事に、タイトルの「ERってなに?」と言う
ご質問を受けましたので、簡単な説明文ですが載せますね。

元々はアメリカの救急病院にあるエマージェンシールームを
モデルにしたもので、そこからERとの呼び名が着きました。

内容は日本でのER検討委員会が示している物の抜粋を
下記に記載してみます。
このようなガイドラインの上で私たちが仕事をしています。

ERとは
あらゆる救急患者さんの診療にあたるER医(救急外来医)や
専門知識を要する看護スタッフで構成されています。
ER医は、子供さんでも高齢の方でも病気でもケガでも
心の問題でも、「専門ではない」と断ることはしません。

すべての患者さんに対し責任を持って初期診療を行います。
そして入院加療や退院の判断を下し、
必要があれば専門医に相談や紹介を行います。

様々な救急対応の経験を持ち、幅広い診療領域をカバーする
ER医がすべての救急初期診療にあたり、
専門医でなければ対応できない病態のみを専門医が診療する事で
診療の安全性と医療コストのバランスを図る事ができます。


文章にすると堅苦しい物になってしまいましたが
こう言う指針で業務を行っているのがERです。

今の所は大学病院や公立病院のような大きな病院の
1セクションとして大都市圏で運用が始まっています。

三次救急病院である高度救急救命センターでも
複数の救急医が常駐し、24時間受入態勢を整えている所では
ERと呼称してる所も有ります。

こう言う施設が全国に普及していれば、この間奈良で起きた
妊婦さんのたらい回し搬送の悲しい結果は無かったでしょうに。

ただ奈良県の場合は、周産期医療システム導入依頼20年余りも
システムの不備の見直しや、改定をしてなかったそうなので
施設があっても、行政が活用出来なかったかも知れませんが…

at 01:07│Comments(4)TrackBack(0) 病棟 

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この記事へのコメント

4. Posted by なすび   2007年09月03日 14:43
アキラさん、こんにちわ。
産婦人科医が少なくなっている事や、
病院経営が採算が合わなくて閉鎖されると言う事が
経済至上主義という面直結してると言う実感は
現場ではチョッと異なるニュアンスで受け止めています。
産科医のなり手が少ない一因でよく言われているのは
「訴訟率」が他科に比べ飛びぬけて高いからですよね。
周産期は突発異常が発生しやすいので、患者さんにつく
時間も長くなり、同時に数人の患者さんを抱えると
48時間連続勤務なども当たり前ですし
その反面出産に異常があれば、例えそれが先天性に
起因する物で、且つ健康に出産されても
危機感を覚えた等で慰謝料請求等の
訴訟は頻繁に起きてます。
そう言う意味(患者サイド)も含め、
経済至上主義というのならその通りなのですが。。。
3. Posted by shinobueakira   2007年09月02日 20:08
質問に答えていただきありがとうございます。
救急患者さんを専門的な知識と経験で救ってくれる救急外来医や看護師さんの存在は神の申し子達かもしれませんね!
皆、ER医や看護師さんのお陰で、尊い命が救われることに感謝していると思います。
経済至上主義で、病院の経営が採算が取れず、閉鎖されたり、産婦人科医が減ったりしていますが、救急救命施設は国がしっかりとしたフォローをして、ER施設を完備しなければならない課題だと思います。
今日のThe・サンデーで舛添要一新厚生労働大臣がムコ多唐症の新薬認可を約束していましたが、新大臣にはER施設の整備にも力を発揮して欲しいものです。
2. Posted by なすび   2007年09月02日 14:54
徒然さん、こんにちわ。
救急医は一般診療科をいくつも経験して無いと
救急医資格の受験資格が無かったと思います。
だから可也な意思がないと救急医になろうとするDr.が
少ないわけです。
看護スタッフも他科に比べると専門知識が要求されるので
一般の看護師さんよりも負担が大きいですね。
そんな人材養成に時間が掛かる事も一因かと思います。
そして一番の原因は、採算性が悪いんですよ。
病院を経営面から見ると、救急医療はお金が掛かる反面
治療費収入などは一般診療報酬とさほど変化無いのです
それで地域の基幹になる大学病院や公立病院などしか
設置できないのが現状かもしれません。。。
1. Posted by 徒然   2007年09月01日 21:47
「ER」アメリカドラマで有名ですよね。
実際にERで働く医師・看護師は色々な知識・技術を要求されて大変なんでしょうね。
そういった事からも、普及が遅いのでしょうか?
でも、早く多くの病院が普及してくれると 先日のようなことは無くなるのでしょうね。

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