2008年03月23日

思い出深い!? 卒業式。。かな

今朝の出勤時に袴姿の若い女性を見かけました。
自分の数年前の姿を思い浮かべるその姿は卒業式ですね!

今週はどこの大学も卒業式のようで、
時折はかま姿の女子学生を見かけることはあったのですが
まさかその格好で搬送されてくる人が
いるとは思ってもいませんでした。

お昼過ぎに隣県の休日当番クリニックからの搬送要請。
休日診療の当番に当たっていたそのクリニックは整形外科。

患者さんの容態についての説明内容は
「当初は袴の帯の締め付けで気持ち悪くなり受診」と
言う事だったそうです。

着慣れない袴を着付けてもらって、卒業式に出席したけど
時間が経つにつれ苦しくなって、終了と同時に会場で
紹介された近くの休日診療クリニックへ向ったそうでした。

そこまでは「あらあら」って微笑ましいお話だったのですが。。

クリニックで帯を緩め、腹痛と気持ち悪さを静める薬を
処方しようと整形外科の先生が診察した際に
出血が多い事に気づかれ、本人に確認したところ
「卒業前で気忙しく、不順になっていた」と言うお返事。

そうしているうちに痛みが増し、脂汗をかくほどになってからは
返事をするのもやっとと言う状態に。。
心配した友人が式場で分かれた患者さんのお母さんへ連絡し、
急遽来てもらい一緒に診断を待ったそうですが。。。

もうこの状態では呼吸が覚束無くなるので酸素吸入などの
処置が必要になりますが、休日当番の整形外科にはありません。

症状からも整形クリニックでは専門外で対応が出来ない状態で
近くの2次救急病院へ連絡されたようですが、婦人科系の医師が
いないことなどから越県しての搬送依頼がうちへ入りました。



救急車が付いた時に患者さんは勿論、友人の方も袴姿。
お母さんも晴れ着を着ていて、折角の門出の日をと残念がり
娘さんを心配されていたのですが。。。

検査結果から「妊娠4ヶ月の切迫流産の疑い」
直ぐ処置にあたり、取り敢えずは安静を要するものの
母体及び妊娠継続に支障は無い状態まで安定できました。

本人は妊娠の認識は全く無く、単純に遅れていた程度に考え
16週以上も通常生活を続けていたようでした。
しかも先週には卒業旅行にイタリア旅行へいていたそうです!

検査結果を伝える際にDr.が患者さんが20歳をこえてるので
「結果を家族に伝えるか?」と意思確認をしたのですが
お母さんは待合室で娘さんを案じ、結果を気にして待ってるし
本人も心細くなり自分の口からは話せそうに無いので、
「よろしくお願いします」との事でした。

Dr.と一緒にお母さんへ病状説明に同席したのですが
流石に患者さんより取り乱されて・・・
「相手は誰?」 「折角銀行への就職も決まってるのに」etc..

確かに今の状態は,私たちもお相手は分かりませんし、
このまま4月からの就職はチョッと難しいでしょう。。
暫くは安静を要しますし、安定するまでは入院も必要です。

お母さんが落ち着くまで待合室で休んでもらったのですが
ご主人(お父さん)が駆けつけた頃には立場が変わり・・
ご主人が「相手は?」などの落ち着かない仕草を諭すように
「娘の卒業式におじいちゃんになれたんだから喜びなさい」と
話されてらっしゃいました(^-^)

そんなお母さんを見て、
患者さんの健康状態はまだ暫く安心できる状態ではないのですが
このご家族なら、これから話し合わなければならない難題も
じっくりと話し合いが出来てきっと良い結果を得られるでしょう!
そう感じました。。。

一時は母体も胎児も危ない状態でしたが、
卒業旅行中でもなく、就職してからでもなく、
卒業式の終わる頃を見計らって自分の存在をアピールしてきた
おなかの赤ちゃんは、親孝行者に違いませんね(^-^)

患者さんにとっても、ご両親にとっても
思い出深い卒業式になられたことでしょう!

袴姿の卒業式は、おなかの赤ちゃんと一緒に
卒業証書を授与されてきたのですね!

at 21:23│Comments(8)TrackBack(0) お子さんたち 

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この記事へのコメント

8. Posted by なすび   2008年03月29日 00:10
ばーびーちゃん、こんばんわ。
確かに我が子となれば複雑でしょうね!
でも夫婦って凄いなって思ったのは、この奥様は御主人が
取り乱すのを見て、我を取り戻されたのか落ち着かれて
病床の娘さんを気遣い魚もいも重なったのでしょう
御主人には現実を受け止めるように諭されていました。
やはり御夫婦って、バランスがしっかりしているのですね^^v
7. Posted by ばーびーちゃん   2008年03月27日 20:26
最近は「できちゃった婚」が本当に
多いですよ?。
10代のカップルもよく担当させてもらいますが
お父様お母様もまだ若くて「あれ。アタシと
そんなに変わらないかも?」なんて思ったり。
人の話だと微笑ましくてイイのですが
我が子となれば複雑でしょーね。
6. Posted by なすび   2008年03月25日 12:08
wiredさん、こんにちわ。
そうですね!
男親の立場は、又違った物なのでしょうね^^;
松本幸四郎さんが
「娘はいつまでたっても娘、嫁に行くなんて思いもしなかった」
そう仰っていましたが、
父親が急に娘に子供が出来たなんて聞かされたら・・・
5. Posted by なすび   2008年03月25日 12:05
ニコニコおかみさん、こんにちわ。
お母さんの心の葛藤と、娘さんの気持ちの混乱。。。
どちらももの凄いものがあったに違いないですね!
でも何と無くですが同性として、その気持ちが分かる気がします。
やはり最後は生まれ来る赤ちゃんの事を思う気持ちが優先して
それで我を取り戻されたのかなって思いがします。
これから待ち受ける難題も、一人で抱え込まず
相談できる相手が身近にいる事を確認できただけでも
患者さんは心強くなれたと思います。
お母さんも、妊娠出産の先輩として
そして同性として娘さんを思い、赤ちゃんを思う気持ちが
心を一つにされたのでしょうね!
私もいずれそうなった時に、頼れる母親になりたいです^^;
4. Posted by なすび   2008年03月25日 11:56
徒然さん、こんにちわ。
本当に 母は強し! ですね^^
でもそこまで落ち着くには可也気持ちの高揚があったようですよ。
最初は待合室で右往左往されていたのですけれど
ご主人が来る前に、エコーをされた産科のDr.に
「ご主人はもっと心配されますから、お母さんが落ち着かないと
娘さんや赤ちゃんは誰も頼れる人がいなくなっちゃいますよ」
って、アドバイスされてから急に落ち着きを取り戻されて
「強い母」に変身されたんですよ^^;
こう言う時の母親の娘を思う気持ちは
娘にとっても心強い物になりますね!
3. Posted by wired   2008年03月24日 23:59
{困った}
娘がいると
父親の気持ちで読んでしまう
葛藤・・
2. Posted by ニコニコおかみ   2008年03月24日 16:24
卒業式に・・・・・!
なんと言う タイミングでしょう!!
本人はもちろん ご両親はさぞかし
驚かれた事でしょう。
 母は強し!
待合室で待たれている間 お母さん 心の中で
すごい葛藤があったと思います!
でも その間にお嬢さんの今の状況を受け入れる
心の整理をなさったんですね!
このお母さんの娘さんですから
これからのご自分の進むべき道をしっかり見つめて
ベイビーと共に生きていかれると思います。
お嬢さんも 母親になるんですから!
母は強し!です。
1. Posted by 徒然   2008年03月23日 23:46
イタリア旅行・慣れない着物と妊娠が分かっていれば、避けて通る事ですよね。
気が付かないって、怖い。。。
でも、このタイミングで自分の存在を知らせるって なすびさんの仰るようにホント生まれる前から親孝行ですよね。
そして、何より 母は強だと思いました。
だって、お父さんが来た時にはお父さんに「喜びなさい」なんて言っちゃうんですもんね。
きっと、この親子なら大丈夫だろうなぁ?なんて勝手に思ってしまいました。
そして早く、母体・胎児共に安心できるような状態になるといいですね。

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