2008年09月22日

子供たちに送られ、そして残したもの

子供たちに囲まれて、お母さんが旅立っていかれました。。。
まだ30代半ば、お子さんたちも小学3年生・1年生・幼稚園年長さん

搬送時既に心肺停止状態。
倒れてから発見されるまで、どのくらいの時間が過ぎていたのか・・
3年生のお姉ちゃんが塾から帰って来るまで
お母さんは台所の床に倒れ、一人の時間を送られたようでした。

救急車で一緒に駆けつけてくれたお隣の方が言うには
朝の食器がシンクにあり、水道が出っ放しだったそうなので
朝食の後片付けの最中だったのでしょうか!?
お子さんが帰宅したお昼過ぎまで、誰にも気付かれずに。。

それでも救急隊員が駆けつけた時には
まだ微弱ながらも脈が触れ、直ぐ搬送されたのですが移送中にDOAに移行。
脳出血による脳ヘルニアが確認され、手の施しようのないほど。。。

まだこちらの声は聞こえてらっしゃる事を
お子さんや付き添いの方にお話し、出掛けていた御主人と
他のお子さんの到着を待ち、お別れの時間を持って頂きました。

小さなお子さんは何が起こっているのか理解もされてない様子で
ベットに横たわるお母さんに「早く起きてよ!」とふさぎ
小学生のお子さんたちは大きな声で涙されていました。


余りにも突然で、現実を受け止められないなかで
泣き叫びながらもお母さんを励まして涙を流していました。

一杯涙を流したお顔で、お父さんや私に泣きついてきた姿を見ていると
やはり医療の無力を感じてしまいます。


お父さんが奥様を眺めながら
「子供たちに何もしてやらないまま一人で行っちゃいやがって。。」
そう呟くように泣き崩れられました。

でも奥様は、何もしてやれなかった訳ではないのですよ。。。

この処置室のカーテンの中で涙したお子さんたちの心の中には
きっとお母さんの優しい思い出や、人を思う思いやりの気持ちが
しっかりと植えついて残っていくと思いますから。。。

一杯泣いた、その分だけ
心の中のお母さんと、そして他人への思いやりと、
優しい気持ちが残ったはずですから。。。




精神的にチョッと辛い勤務が続いてしまいました。










at 12:35│Comments(6)TrackBack(0)素敵な出会い 

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この記事へのコメント

6. Posted by なすび   2008年09月25日 00:30
アキラさん、こんばんは。
残念ながらこの年齢の脳疾患患者さんの多くは
自覚症状などを見過ごしてしまうことが多いのですよ。
若さと言う魔法に罹ってしまっているのかも知れませんね。
そして生死の分岐点は非情なほど紙一重に存在しているように感じます。
手の打ちようが無い事ほど、医療従事者としてむなしいことはありません。
医療が発展して、このケースの症例が助けられる様になっても
この患者さんが戻って来られる訳ではないのですから・・・。
王監督の地元最終戦、しっかりと焼き付けてきてくださいましたか!
何となく一時代が過ぎ去っていく気がして、寂しさが募ります。
ニュースで試合終了後のセレモニーで、松中さんや小久保さんが
涙されてたシーンを見たときは、私もジーンとしましたよ。
監督の偉大さが伝わってきますね。
5. Posted by なすび   2008年09月25日 00:26
ニコニコおかみさん、こんばんは。
お母さんの悲報をまだ理解も受け入れも出来ないで居るでしょうけれど
いつかこの日の思い出はお子さん達にとって、
強く生きる糧になってくれるように願ってしまいます。
その分今は涙の枯れるまで涙して欲しいです。
辛い分お父さんと一緒に乗り越えて行ってくれれば
お母さんはずっと傍で見守っていてくれるでしょうからね。。。
4. Posted by なすび   2008年09月25日 00:22
Wiredさん、こんばんは。
脳出血は頭骨の中にある、脳の中や周りを通る血管が切れるなどして
そこから出血してしまう病気のことです。
この脳出血は動脈硬化や外傷(頭部強打等)の他、先天性疾患などでも起こります。
つまり年齢には余り関係なく、誰に起きても不思議ではない疾患です。
脳内にて出血が起こると、
出血した血液が流れ出す場所がないので脳の中に貯まります。
貯まった血液が脳そのものを圧迫してしまい、生死にかかわる状態になります。
また脳を脳幹の方へ押し下げてしまうと、脳ヘルニアと言う症状になります。
脳圧が上がってのうそのものにダメージを与えてしまい、
元の脳出血を治療できても大きな後遺症だけでなく、脳死状態になったり
そのまま亡くなってしまうことも稀ではありません。
脳出血の部位や量等にもよりますが、生死に大きく関わる疾患と言えます。
こう言う重篤なケースの場合は、2次救急病院では対応できないので
うちに搬送される患者さんの多くは、どうしても生死に分岐点に立つ方が多くなります。
簡単な説明になってしまいましたが、御理解いただけましたか!?
特に動脈硬化による脳出血は、普段の食生活などで可也予防も可能ですので
wiredさんも御家族で試してみては如何でしょうか。
3. Posted by shinobueakira   2008年09月24日 11:31
30代半ばというと我が家の娘達と同じような年齢のお母さんだったんですね。
脳出血になる前に何か自覚症状はなかったのでしょうか?
医療の無力さを感じておられるようですが、このお母さんももう少し発見が早ければ結果は違っていたのかもしれませんね。
人の命の生と死の境目はちょっとした時間のづれなのかもしれません、もう少し発見が早ければ、もう少し時間を遅らせてその場所を通っていれば・・・
それだけ生と死は近いところにあるのかもしれません。
残された子供達とお父さんは突然の出来事で現実を受け入れることが出来ない状態だと思いますが、お母さんの供養をしてあげて、早く立ち直ってもらいたいものです。
救命緊急医療現場では毎日このような生と死の境界線での闘いが行われている厳しい現実を実感させられました。
人の命の尊さがわかっていない人間もいます。
福岡で自分の子供を殺害した母親の今後の事を考えると辛くなります。
なすびちゃんも辛い勤務が続きましたが、気分を切り替えて、笑顔を取り戻してください!!
話は変わりますが、ホークスの地元最終戦が本日福岡ドームで行われます。
王監督の試合後の挨拶をしっかり目に焼き付けてきます。
2. Posted by ニコニコおかみ   2008年09月23日 22:54
先日の小学4年生のお子さんに続き 辛い状況のお話ですね。
亡くなられた お母さんもお子さんの成長を見届けたかったでしょうに。無念だった事でしょう。
その奥さんの思いを「何もしてやれないまま一人で ・・・・・・」と言うご主人の言葉になったのかも知れませんね。
でもなすびさんの言われる通り子供達の心には お母さんの優しい温もりがいつまでも心に残ることだと思います。
後に残された子供達がこの悲しみもを乗り越え
しっかりと成長していって くれる事を願わずにはいられません。
1. Posted by wired   2008年09月22日 21:27
辛い、悲しい出来事なのにごめんね
お母さんは何故倒れたの
脳出血による脳ヘルニアと言うのは?
誰でもなる可能性があるものなのですか?

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