2008年09月28日

二度目の体験

救命に搬送されて来られる患者さんの中には
搬送途中で容態が急変される方も中にはいらっしゃいます。

大まかな症状や患者さんの情報などは
現場へ急行して搬送してくる救急隊員から送られてくるので
予め幾つかの症例を想定して、受入準備をして到着を待ちます。

今日も現場から入ってくる情報から、脳出血の疑いを持って
受入準備を急ぎました。

間も無く救急車が到着し、隊員からバイタルなどの基礎データを聞き取り
患者さんの意識レベルのチェックを兼ねて、
大声でお名前を呼んだり、病院へ着いた事を知らせ安心感を与えようと
お顔の傍で声を掛けさせたいただきました。


最初にお名前を読んだ際に微かながら反応があったので
今一度私が顔を近づけて、
「○○さん、病院着きましたよ! 安心してくださいね。
 どこか痛い所有ったら指でさせますか?」と
声を掛けたときでした・・・・。


突然、噴水のような吐瀉物が・・・・・

一瞬顔を背けたけど間に合うはずもなく、
私の横顔から上半身にビチャっと降り注いでいました。

しかも私の隣でストレッチャーを押していたDr.にも降り注ぎ
可也な量の吐瀉物を戻されました。


脳出血の際にはこう言った噴水のように
大量で急激な嘔吐をされる事は良くある事です。

元々脳出血の疑いのある患者さんなのですから
これぐらい想定しておかなければいけなかったのに。。。
(脳出血の患者さんの症状にはよくあるパターンなのですから)


幸い私は予防衣を付けていたので、白衣はそのまま着用できたのですが
髪の毛と襟元・首筋に掛かってしまったので、
そこだけ拭き取って髪はネットで覆い、直ぐに処置に当れましたが・・・。

隣で浴びてしまったDr.は予防衣を着けていなかったので
汚染されてしまいそのままでは処置に入れませんでした。

そして嘔吐時に私の後ろに隠れて吐瀉物を浴びなかったDr.と私
それに急遽応援に駆けつけた別のスタッフで処置に当り
結果的に一命を取り留める事が出来ました。


去年だったか、同じように吐瀉物を浴びた事がありますが
その時は、患者さんの面会へ来られたご家族の方が
急に気分が悪くなり、支えていた私の頭の上から戻されて
首筋を伝って背中まで入った事もありましたっけ(^_^;)

なので今回で2度目の体験になってしまいましたぁ。。。

そう言えば、吐瀉物だけでなく・・・

排便困難な患者さんへ浣腸をした際にも
急に催した患者さんの体位変換が間に合わず、
排泄物が私の胸と腕にバッチリ掛かった事もあったっけ。。


仕事してると余り気にならないのですが、こんなお話を書いてしまい
お食事中の方やこれからお食事の方がいらしたらゴメンなさいね!


白衣の天使と言われても。。。

実態はこんなものかも知れません(^_^;)







at 02:05│Comments(13)TrackBack(0) 病棟 

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この記事へのコメント

13. Posted by なすび   2008年10月07日 10:11
toshiyanさん、おはようございます。
退院おめでとうございます!
カテーテル施術中はDr.からの説明も
受けられた事と思いますが
御自信で狭窄箇所を確認された事でしょうから
すこし安心されたのではないですか?
登山も可能との事、本当におめでとうございます。
無理されない程度にお好きな山登りをお楽しみくださいね。
どうぞお大事に!
12. Posted by toshiyan   2008年10月06日 20:35
なすびさん、こんばんわ。
退院して、帰ってきました。
カテーテル検査の結果、狭窄個所が2箇所ありましたが、血管内治療は適切でないとの判断で、投薬治療となりました。このままでも山登りは大丈夫と言われて一安心です。
懇切丁寧な医療対応に感謝しています。看護士さんにも随分親切にしていただきました。患者にとってはすごく励みになりますね。やはり白衣の天使ですよ。
それにしても、医療分野でのIT活用はすごいものがありますね。
11. Posted by なすび   2008年10月01日 16:09
sacchinさん、こんにちわ。
本当にチョッとしたタイミングのずれでかかるんですよ(^_^;)
患者さんもその後恐縮されることもあって
なんかこっちまで申し訳ないような気分にもなってしまうんで
気をつけてるんですけどね。。。
完璧にガードする方法発見したら教えてくださいね(^-^)
10. Posted by なすび   2008年10月01日 16:02
toshiyanさん、はじめまして。
御入院加療が予定されてらっしゃるようですが
御身体の方は如何でしょうか!?
労作性狭心症との事ですが、
手技内容などは既に説明を受けてらっしゃる御様子ですし
病院にも因りますが、恐らく術中ずっと意識を維持できる術式を
取られると思いますので、医師の説明を受けながら安心して臨めると思いますよ。
心より手術成功をお祈りいたしております。
よろしかったらまたコメントいただければ幸いです。
どうぞ御自愛の上、ご回復にお勤め下さいね!
お大事に。
9. Posted by なすび   2008年10月01日 15:53
ばあばさん、こんにちわ。
こう言うハプニングは日常茶飯事ですよ(^_^;)
ご指摘頂いた側臥位での搬送は応急処置時に有効ですね。
救急車などの到着を待つまではこの体位で患者さんを観察される事が
嘔吐による窒息を防ぐ予防法になります。
病院到着時は全身観察をするので、体位は仰臥位にするのが一般的なんですよ。
そして意識レベルのチェックを兼ねて声賭けをするのですが
なるべく患者さんのお顔の傍で声を掛けるので、
時折こう言ったハプニングもありなんですよ。。。
Dr.も専門スタッフも揃った場所なので、パニックになることはないつもりですが
アドバイス頂いた通り、吐瀉物による窒息など起こらないように
ケアして行くよう心がけていきますね。
慢心ほど危険なものはないですからね!
8. Posted by なすび   2008年10月01日 15:38
ママさん看護師さん、こんにちわ。
A医大のフライトナースさんのドキュメンタリーですね!?
講演の際の取材は知っていたのですが、
私が写っていたとは知りませんでした。。。
多分見切れていた程度だと思うのですが・・・
四川での活動報告と救命医療の講演でしたから
Iさんも御一緒していたのですが、写っていませんでしたか?
7. Posted by なすび   2008年10月01日 15:34
アキラさん、こんにちわ。
「天使」とは、ドラマの中での作り物に過ぎませんね!
ただ病に直面している患者さんからのメッセージを受け止め
回復にお役に立つお手伝いが出来れば、それは患者さんから見ると
「天使」と読んでもらえるのかもしれませんが。。
篠笛のお願いは本当に申し訳ありません。
そんなに早く政策に取り掛かられるとは思いもかけていなくて
この患者さんの回復までには、もう少し長いスパンでの治療が必要ですので
篠笛を手に出来るのは来年以降になると思います。
でもアキラさんが遠い地で応援してくださっている事をお母さんに伝えたところ
涙を流されて感激されていました。
今までこの子の病気と闘っているのは、自分たち家族だけだと
悲観を含めた思いで一杯だったそうでした。
それが見ず知らずの方からも、篠笛を通して応援されていると知り
今まで堪えていた感情が噴出したように私に抱き付いて涙されていました。
本来は「身内の病気をブログに書くなんて個人情報漏洩だ」と
お叱りを受けるので、私の勤め先や私や患者さんを特定できる文章は
なるべく書かないようにしているのですが、
このお母さんは長年の治療に精神的にも孤立感を持ち
このままではお母さんまで心療内科の治療が必要になるほどで
その辺を加味してアキラさんの応援を話してみました。
篠笛を贈っていただけるよう、彼が回復する日を私も楽しみにしていますので
もう少しお時間をいただければ幸いに存じます。
ありがとうございます。
6. Posted by sacchin   2008年09月30日 09:18
子供が生まれてから、吐かれたりうんちやおしっこをひっかけられたりするのは
日常茶飯事になったけど、普段の生活では、殆ど無い事ですよね。
忘れてました(笑)
この手の事は、警戒してても、体勢やタイミングで見事命中しちゃう事もあるし
完璧にガードするのはなかなか難しいですよね(^-^;
お疲れ様ですm(_ _)m
5. Posted by toshiyan   2008年09月29日 16:14
なすびさん、こんにちわ、はじめてコメントさせて頂きます。
ドクターをはじめ患者さんと直接関わる仕事をされている医療関係者の方たちに敬意を払います。
文句を言われてもにこやかに対応されている看護士の方たちはすごいなあと尊敬の念を覚えます。
なすびさんの文章には、やさしさをとても感じます。
私も近々入院の予定です。労作性狭心症というのだそうです。狭まった血管にステントを入れる処置をしてもらうのです。
処置そのものは短時間で終わるそうですから、何も心配してませんが、仕事ぶりを見習いたいと思っています。
大変な仕事と思いますが頑張ってください。影ながら応援しています。
4. Posted by Happyばあば   2008年09月29日 16:06
こういうハプニングも有りなんですね。
特に一刻を争うような場合、汚い!とか思ってるヒマもないでしょうし。
先日TVでいってました。
脳出血などで倒れた場合、激しく嘔吐することがあるので、顔と体を横に向けてあげるように・・と。
マヒが来てる場合はマヒしているほうを上にして横向きにするように。
判断出来ない場合は顔だけでも横にして嘔吐したものが喉にはいらないようにしてあげてください。
パニックになるかもしれませんがちゃんと覚えておいたほうがいいでしょうね。
3. Posted by shinobueakira   2008年09月29日 01:56
先日のリコーダー少年の篠笛は早速、気合を入れて作らせていただきます。
少し小さ目の篠笛にします、短くて細い竹で作ると余り息を強く出さなくても音は出やすいようですから。
何度も手術を乗り越えて、頑張っている少年に喜んでもらえるかどうか自信はありませんが、今までにないモチベーションで篠笛製作に打ち込んでみますので、少年のお母様にも長い期間の看病で大変でしょうが、回復に向かっていることは間違いないようですから、少年が一曲通して曲が吹ける日を楽しみに頑張ってくださいとお伝えください。
2. Posted by ママさん看護師   2008年09月29日 00:10
さっきまでテレビでやってたフライトナースのドキュメンタリー番組で
主人公の講演シーンになすびさん写っていましたね!
救命の看護師のドキュメンタリーだとIさんなどのベテラン組みの中では
なすびさんは超若手になるけど信頼は厚いんだね。
こんどテレビに出る時は事前に知らせてくださいよ^^v
1. Posted by shinobueakira   2008年09月28日 14:55
嘔吐や排便で汚されても、患者さんの為に処置を続けられるから“白衣の天使”と呼ばれるのかもしれませんよ!
嘔吐物や排便物はそもそも人間の体の中にある時は大切なものであるはずなんですが、役目を終えて体の外に出てくると可愛そうに嫌われ者になってしまいます。
お遍路の作法に
「お遍路をしている間、静かに己の心を整え、物事を在りのままにとらえます。心が静まれば、自分と他人を区別して利益を求める事は無意味になり、得失や若いこと、老いる事、汚れや、清らかである事にこだわらなくなります。」
とあります。
これからもなすびちゃんは何度か汚物で汚されるかもしれませんが“白衣の天使”であり続けてくださいね。

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