2008年11月15日

ペットの力も及ばず。。。

先日記事にした脳出血の患者さん。
今朝方、間も無く空も白み始めるだろうと言うころ
ペットのワンコの面会の力も及ばず、
お独りで旅立たれていかれました。

当初より術中死さえ懸念された患者さんでしたが
搬送時の重篤な状態も一山乗越える事が出来たのに。。。

昨夜私が勤務に就く前に、既にレベルダウンされ始めていて
ご家族も駆けつけていらっしゃいました。

準夜帯のスタッフから引継ぎを受け
他の急患の搬送受入をこなしながらも
何度となくベットサイドについて手を握ってみたのですが・・・

主治医も 「後はご家族の時間を優先させてあげて」 と
残された時間を私たちが無駄にしないよう心がけました。

私が 「今のうちに何かしてあげたい事はないですか?」 と
お声を掛けたところ、
「お風呂好きだったから、もう一度入りたいだろうな」って
遠方から駆けつけた息子さんが仰られたので
皆さんでお身体を拭いてあげてはどうでしょうかと
お湯で絞ったタオルを数枚用意し娘さんに渡しました。

点滴類が幾つも着いていて、自分たちだけでは拭けないと
仰られたので私もご一緒させていただき
影響の出ないような拭き方をお教えしました。

娘さん・息子さん、そしてお孫さんが一通り
患者さんの身体を綺麗にタオル浴し終えた頃
モニターも何度かフラットを示すようになり
やがて皆さんに見守られ、
そして胸に愛犬の写真を抱いて旅立たれていかれました。


こう言う状況で助けられなかった患者さんのご家族は
多くの場合、憔悴して呆然とされたり
ご自宅へお連れする手配に追われ、
挨拶も疎かにICUを後にされます。

長く入院されていると余計に一刻でも早く病院から出たいと
そう思われるのも十分理解できます。

なのにこの患者さんのご家族は
私たちが患者さんから点滴やモニター類を外す間も
涙顔に笑顔を作って、Dr.や私達看護師一人ひとりに
最後のご挨拶をくださいました。

助けられなかったのに・・・

 「ありがとう」

そう仰ってくださいました。



ペットも家族の一員のようになって久しいですものね。
ご家族との面会をする事と同じように
ペットとも面会もしたかったでしょう。

その機会を得る事が出来たのはせめてもの救いでしたが
医学ではどうしようもない、手の施しようの無い時にも
目に見えない力を最愛のご家族から頂けるかも知れない。。。

これからもそう信じてケアに当って行くだけですね。






at 22:33│Comments(2)TrackBack(0)素敵な出会い 

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この記事へのコメント

2. Posted by なすび   2008年11月17日 18:29
徒然さん、こんばんわ。
そう仰っていただけると少し気が楽に成ります。
いつもありがとうございます。
出来るだけの事をしたから・・・、
それで満足とはいかないのが生死に関わる仕事の辛さですが
見えない力はきっとどこかにあると信じて
ペットであろうと、ご家族との思いが強い患者さんには
「家族の面会」で回復してくれるよう祈ったのですけれど。。。
そしてワンコもきっと思い出の中で
この飼い主さんと戯れる事ができるでしょうね。
1. Posted by 徒然   2008年11月16日 15:28
先日の「ペットも家族だから」を読んで、ペットを家族だと思う一人として 何てありがたいことをしてくださる病院なんだろうと思っていました。
残念な結果にはなってしまいましたが、旅立たれた方・ご家族は病院の対応に感謝なさっているだろうと思います。
そして、言葉は通じないけれど何かを感じたであろうワンコも時間は掛かるだろうけど理解していると思いますよ。

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