2009年09月04日

「みんないつか死ぬんだよ。。」

その男の子が搬送されて来たのは
夏休みも残り僅かになった暑い午後でした。

隣県の病院からの救急要請。
小児喘息の既往が有り、
今までも何度かの入退院を繰り返していたそうです。

だからこそ、夏休み明けの新学期を楽しみに
残り僅かの休みを思うより、早く学校へ行きたいと言って
毎日往復3時間も掛けてお見舞いに来るご両親を困らせていました。

搬送当初は呼吸不全も重症で
かなり緊急を要す危険な状態だったのですが
何度かの処置を施すにつれ、自身で会話も出来るまでに回復。
間もなく一般病棟へ転棟出来る兆しもあり
ご両親を困らせるほどの元気も出ていたのですが・・・

新学期を迎えた翌日深夜に急変、一旦は呼吸も停止し危険な状態に。
直ぐ処置にあたり朝方までに少し安定させることが出来ました。

深夜に駆けつけたご両親も安心して涙顔でベットサイドへ。

もう一度大好きな学校へ行かせてあげたいとの思いは
ご両親だけでなくスタッフ一同に共通した願いになっていました。

少し安定したのに、今日の勤務に就いた時には
既にベットサイドにご家族も集まって、その時を見守るかのように
Dr.の最期の言葉を信じられないようにお聞きになっていました。

お父さんが肩を落としながら
「みんないつか死ぬんだよ、だから怖くないよ」
この子は前の病院でそう言ったんだと話して下さいました。

もしかしたらその時既に「自分に残された時間」を
悟っていたのかも知れない。
そう泣き崩れながら話されました。


入退院を重ねると、お子さんとは言え
非日常の世界を見たり、周りの年上の方との話の中で
自然と大人びたことを話すお子さんも多いです。

この子も同級生のお友達との時間より
そう言った患者さん友達のほうが多かったのでしょう。

とても小学6年生の男の子とは思えないほど
しっかりされたお子さんだったのに・・・。

同級生は夏休みの旅行などの話題で笑顔が一杯な時でしょうに。。
ここへ来てからは何度か安定もしたのに。。。

一人旅立たせてしまった無力を詫びるしかありません。


「みんないつか死ぬんだよ、いつか私もね!
 だけど順番は守ろうよ、○○ちゃんは早すぎだよ」

小さな子に何も出来ないで送り出してしまうとき
いつもそう感じてしまいます。。。











at 14:53│Comments(12)TrackBack(0)お子さんたち 

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この記事へのコメント

12. Posted by なすび   2009年09月08日 13:43
徒然さん、こんにちわ。
本当にあんな言葉は子供さんの口にさせたくないですね!
どんなに医療が進歩しても、きっとこういった悲しいお別れは
続くのかなぁと。。。と、やりきれない思いがすることがあります。
全ての子供に「笑顔」を与えられる医療が出来たら・・
それってやはり夢なのでしょうか・・・
11. Posted by なすび   2009年09月08日 13:41
wiredさん、こんにちわ。
泣くしかない・・・
その言葉が全てな様な気がします。
小さなお子さんが病と闘っているのを
手を拱いて見守るしか出来ない時の歯がゆさは
処置を施す私たちへも痛いほど伝わってきます。
だからこそスタッフもご家族同様
願いがひとつになって治療に当たるのですが・・・
やはり順番が違うのは辛すぎますね。。
10. Posted by なすび   2009年09月08日 13:37
ニコニコおかみさん、こんにちわ。
わが子を送る親の気持ちほど
悲しい思いは無いでしょうね。。。
辛いのお一言で片付けるには重過ぎる辛い別れでした。
順番が違うのはやはりいけませんよ。
少なくともこんな気配りのできる子が
私より先に行くなんて・・・
9. Posted by なすび   2009年09月08日 13:35
アキラさん、こんにちわ。
医学が進歩しても、メンタルケアが強化されても
やはりこう言う悲しい別れはなくならないのでしょうかね。。
辛いです・・・
せめてもの救いと思いたいのは
あちらの世界で、今度こそ楽しい日々を送ってくれるでしょうと
思いを馳せる事位でしょうか・・・
リコーダー少年が優しく迎えてくれる事を
祈るばかりです。。。
8. Posted by なすび   2009年09月08日 13:32
ばあばさん、こんにちわ。
確かに自分を見据えて、
私より濃密な人生を全うしたのかもしれませんね!
順番が違うよと、これまで何度心の中で叫んだでしょう。。
それでもまだこんな悲しい別れが止みません
本当に辛いです。。。
7. Posted by なすび   2009年09月08日 13:30
りんママさん、こんにちわ。
悲しい出来事ですけれど
残されたご家族を思えば、やはりもう少し私たちが
技術的にもメンタル的にも進歩しなくては
こう言う別れはなくすことは出来ないのでしょうね。。。
お休みの日はまたランディとも遊んでくださいね!
6. Posted by 徒然   2009年09月08日 11:16
子供さんのお話、子供を持った今ではどうしても自分に重ねて読んでしまいます。
子供さんの「みんないつか死ぬんだよ、だから怖くないよ」
こんな思いを全ての子供に思わせなくっても良いようになればいいのに・・・
5. Posted by wired   2009年09月07日 21:37
辛い別れですね
うちの子も小児喘息なので、咳き込んだ時
どうもしてやれない、辛さがあります
「みんないつか死ぬんだよ、だから怖くないよ」
小学6年生でこんな事言われると
僕は泣くしかないな
4. Posted by ニコニコおかみ   2009年09月07日 14:39
つらいお別れですね。
わが娘も子供の頃 小児喘息で
何度 夜中に病院へ走った事でしょう。
そして 幾度か入院もしました!
「みんな いつか死ぬんだよ・・・・・」
少年は自分自身に言い聞かせると共に、
ご両親のお気持ちを思っての言葉
ではなかったのでしょうか。
先に我が子を見送らなければならなかった
ご両親のお気持ちも辛いですね!
3. Posted by sinobueakira   2009年09月06日 09:10
人間の命だけではなく、この世に生を授かった命にはそれぞれの役目があるんですね。
何時かは死ぬ・・・その時まで自分に与えられた役割を果たす事が大事な事なんですね。
小学6年生の少年は12年間と言う短い時間ではあったけれど自分の役割を立派に果たしたんだと思います。
医学の発展進歩は目覚しいものがありますが、限界があります。
なすびちゃんの看護師活動から、学ぶ事が数多くあります。
医学の限界を補うには、技術的な面とそれ以上に心のケアが大切である事を教えていただいていますよ。
幼い子供達の命を見送らなければならない事はつらいですが、医療現場に従事する方々の宿命だと思います。
これからもなすびちゃんの優しい心で患者さんたちを癒してあげてください。
リコーダー少年、そして今回の少年もなすびちゃんを通じて天国で仲良くしているでしょう。
少年達のご冥福をお祈りいたします。
2. Posted by Happyばあば   2009年09月06日 08:08
長い闘病生活のあいだに小さな子供であっても
自分の現実をきちんと見つめることができるように
なっているのですね。
わずか12?3年の命であっても、ある意味
私たちよりよっぽど人生を経験しているような気がします。
でもこういう言葉を子供さんに言わせなくていいように
なれないものなんでしょうか・・・
順番が違うよ・・と言ってあげたいですね。
辛いですね。
1. Posted by りんママ   2009年09月06日 00:36
私たちに知っているランディママさん(なすびさん)は
いつも清楚でオットリ屋さんなのに、ひとたび白衣に着替えると
優しさ溢れる美人看護師さんになるんですね!
そしてこう言う悲しい出来事にも出会うことも多いのでしょうか?
本当に大変な毎日を人のために頑張ってるんですね。
お休みの日はランディ君とゆっくりされてね!

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