2009年12月30日

雪国にて

クリスマス直前にこちらへ来てから
雪の量と寒さに驚きながらも何とか元気に遣っています!

毎日午前中は近所にお住まいの患者さんの外来と
午後からは診療所まで来る事のできない患者さんや
高齢のお一人暮らしで車を運転する事のできない患者さんの
おうちを一軒一軒回っての巡回医療に出かけています。

雪道も晴れていればなんとかなるのですが
吹雪いてしまうと私の運転では心もとなく・・・
不慣れな診療所の車では怖いので自分の車で出かけています。

Dr.と二手に分かれての行動になることも多いので
この吹雪の中の運転に慣れなければ。。。

当初はこの診療所でのオペ対応も可能な様にとの事で
救急医とCN(認定看護師)を揃えたのでしょうけれど
そんな大きな手術準備も要らないかなと安心していた頃に
最初の救急処置が入りました。

私が一人暮らしのおばあさんの所で
血圧などの定期検診をして褥瘡の処置をしている所へ
別のお宅から先に診療所に戻ったDr.から呼戻しコール!

60代男性、お隣さんと一緒に雪かきをしていた際に転倒。
頭部強打による硬膜下血種を確認
開頭手術に入りました。

今までならこの程度の手術でも診療所では応急処置だけして
市内の2次救急病院まで救急車で搬送していたそうですが
今回はその移動時間を掛けることなく無事手術も成功。

予後も心配ない状態で安定させられました。

術後、患者さんの奥様が
「ここで手術してもらえるなんてありがとうございます」
目に涙をためながらそう仰って下さいました。

手術自体は市内の病院でした方が
この診療所よりマンパワーなどでは万全と言えるでしょう。
ただご家族の負担はそこから始まるのです!

入院期間中は毎日雪で足元の悪い中
遠くの病院まで着替えなどの荷物を持って
バスを乗り継いで数時間掛けていく事を考えると
近くの診療所での入院なら、日に何度でも顔を出せますし
患者さんもご家族への心配を軽減できますしね(^^)

Dr.が当初ここでオペ対応したいので
どうしてもCNを派遣して欲しいと要請された意味が
なんとなく分かった気がした日でした。


その後もおじいちゃんの所へ帰省されていた小学生が
アッペ(appendicitis・虫垂炎)になり、
こちらもここでオペ対応しました。

この土地出身のお父さん(この小学生の父親)は
「俺が子供の頃には、
      盲腸だって市内の病院へ担ぎ込まれたけどな!」


確かにアッペとは言え、腹膜炎を併発するような状態だと
予後を考えここでのオペより、充実した設備のある病院で
対応したほうが良いのかも知れませんが
こうして少しでも地元を離れることなく対応できたり
搬送に時間を掛けずに処置対応できる事が
患者さんにとっても、そのご家族にとっても
安心な事なのかもしれないですね!

大切なのは、その患者さんがこの診療所で対応できるレベルか
時間を掛けて搬送しても、設備の整っている病院で対応すべきか
その境界線を瞬時に見極められるトリアージ技量を持つ
医療従事者であるかどうかと言う事なのかもしれません。


追記
個人のPCを繋げるのは自室に戻ったときだけなので
中々更新も出来ませんし、皆様のブログへお邪魔する事も
侭ならない状態ですのでコメントを残させていただくのは
帰京してからになります事をお許しください。

そして予想された事ではあるのですが・・・
どこの病院もこの時期にCNを派遣できる余裕は無い様で
(基本的にどこの病院にもCNがいるわけではないですし)
提携元のうち以外からの応援は期待できず
このままもう暫く私が残る事になりそうです。。。

取敢えずランディ共々元気で遣っておりますので
皆様にはどうぞ良い年末をお過ごしになり
素敵な新年をお迎えくださいね!

予報では夜明け前から荒天になるようです
寒さ以上にこの吹雪では往診も大変ですが
明日は市内の中学生が作ったおせち料理を
一人暮らしの方々へ届けるイベントがあり
今年は私がご一緒に回って年末最後の検診もしてきます。

暖かいお雑煮が凍りつかなければいいのですけれどね!







nasubi83 at 01:53│Comments(6)TrackBack(0) 雪国便り 

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この記事へのコメント

6. Posted by なすび   2010年01月01日 23:59
カーンさん、こんばんわ。

いつもいつも色々教えていただいて感謝しています。
今年もどうぞよろしくお願いいたしますね!

今年はチョッと寒い中での年越しになってしまいました(^^;)

5. Posted by なすび   2010年01月01日 23:56
アキラさん、こんばんは。

風邪の方はいつに無く長引いてしまい
未だに微熱が続いていますが
そんな事も行っていられない毎日を過ごしています。
ささやかな明るい話題を大切にしながら
今年も前を向いていこうと思います。

どうぞ本年もよろしくお願いいたします。

4. Posted by なすび   2010年01月01日 23:51
Wiredさん、こんばんは。

冬と言うだけで寂しさを感じてしまうのですが
この強烈な自然の猛威が、
私にとっては糧となっている気もします。

迅速なトリアージ、的確な医療判断。。
いくつもの課題が直前に迫っていますが
私を大切に思ってくださる患者さんがいるのですから
その温かなお気持ちに応えなくてはなりませんものね!

本年もどうぞよろしくお願いいたします。
3. Posted by カーン   2010年01月01日 18:35
5 感謝感動 今年もよろしくです
2. Posted by sinobueakira   2009年12月30日 12:29
雪国の過疎地でDrと二人での医療活動は厳しいでしょうが、頑張っていますね。
風邪のほうもすっかり良くなった様子で良かったですね。
硬膜下血種の男性も虫垂炎の小学生も自分の家の近くで手術してもらって家族も皆喜んでおられるようですね。
私の姉も以前、硬膜下血種で手術をしたことがありましたが、頭の手術と言う事で心配したことがあります。
北の国からなすびちゃんの活躍が届いて、心が温かくなりました。
ランディ君も寒さに負けず頑張っている事でしょうね。
北の国での寒い年末年始になりそうですが、地元の方達の期待にこたえてあげてくださいね。
良いお年を迎えてくださいね!
1. Posted by wired   2009年12月30日 11:41
こんにちは!
元気で頑張っておられるのですね
よかった、安心しました

雪深い村の人達にとっては
天使ですね
的確な早い対応が一番安心出来るんですよね
寒さが厳しく、寂しいこともあると思いますが
なすびさんの事を大切に思っている人達にが
たくさんいる事忘れないでね

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