2011年02月08日

我が街へ

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戻りました!

と言うのもおこがましいほどですが、
先日なんとか無事に帰国しました。

現地離任からコレラの潜伏期間を経由地のパリで軟禁状態で過ごし
発症の兆候が無いのでやっとの思いで帰国できました。

ちょっと予定より長い任務になりましたが
現地では被災者の方々と伴にクリスマスを祝う事もできましたし
赤道直下の炎天下での年越しも毎日の業務の流れのままに
キャンプの診療所内で迎えました。
元旦の業務終了後の夕食時にドイツ人Dr.がボソッと一言
「ハピーニューイヤー」と言ったので、今日から新年なんだぁと
気付く程度のお正月だったのですけれど・・・・。

当然のごとくキャンプ内では年越しも新春気分もなく
当たり前のように毎日運ばれてくる患者さんの治療を繰り返し
感染拡大を抑えるため被災者への衛生認識の普及や
水・食べ物の管理や調理法などの広報に幾つかのキャンプを回り
治療の必要の有る患者さんを診療所へ運んだり
必要物資のリストを作成し、国連&現地政府への支援要請や
現状報告などの日々を過ごしてきました。

ただ私が活動したひと月余りの間でも、コレラの感染拡大は拡がり
特に地方都市やスラム化した低所得者層の居住区では
未だにインフラ整備も復旧の見通しも無く、
汚水を口にするしかない、そんな環境を強いられる被災者も多く
無政府状態の行政に期待する国民も少なく
国全体に覇気が見られ無い状態でした。

折角地震そのものの被害は軽症などで助かった人が
一年が過ぎようとする時期にコレラなどの感染症で命を落とす
そんな悲劇が目の前で繰り返されていると言うのに・・・

日々の治療行為のほか、ローテーションで各地の難民キャンプを回り
手洗い用の無水石鹸を配給しながら
使い方や衛生管理の重要性を説明し、
生水は煮沸する事で危険が低減する事、特にお年寄りや乳幼児、
それに妊婦さんなどには体調がおかしいと感じたら
直ぐに診療所へ来るよう説明する日々で
少しでもコレラの感染拡大を防ぎ、
そして患者さんの早期治療を促す努力はしてきたのですが、
無勢に多勢と言う感じで中々追いつかず
又いくつかのキャンプでは暴徒による投石や略奪にもあい
別のボランティア団体では犯罪に巻き込まれた女性スタッフもいて
一時そのエリアへの支援介入を見合わせる事態にもなるなど
今後の見通しを見出せないうちに離任する事が悔しい思いでした。

2月中旬には大学での補講や進級会議などの業務が入り
学会論文の査読にも追われてしまい、
病院からも期間延長は不可と呼戻し令も届いたため、
後ろ髪を惹かれる思いで帰国しました。

現地政府は新大統領を選出する決戦投票が長引き
政府機関が機能していない状態が続き
震災当初に復興支援を受けた一部の都市と、
未だに復旧の見通しもたたない地方の格差は拡がるばかりで
元々有った所得格差は鮮明化し、技能や資産の有る方々は
仕事や安全を求め海外へ出て行ってしまい
被災地に残されるのは弱者と呼ばれる方々ばかりに・・・。

もう少し早く自分達の国の為に、政府や行政が動けると
こう言った人々も安心して暮らせる日々が訪れるのでしょうけれど。。

このまま海外支援に頼りきっていては、
自立復興の意欲は萎え、技術力の海外流出はとめどなく続き、
益々国家再興は遠のいてしまいます。

そんな気がした二度目のハイチ支援でした。。。

取敢えず、今日は帰国報告までと思ったのに
チョッと長い文章になってしまいました。

現地での連日30℃超の気温から、氷点下のパリでの日々
そしてこの乾燥と寒風の日本へと
少し疲れた身体にはシンドイですが
それでもランディ共々元気でいますので、
コメントにてご心配くださった皆様へは本当に感謝の気持ちと伴に
無事帰国のご報告をさせてくださいませ。

疲れて帰国した際に、皆さんのコメントを拝読させて頂き
心の温たまる、そんな優しい気持ちにさせていただきました。

本当にありがとうございました。

もう少し落ち着いたら、皆様へのブログへもお邪魔したいと思います。
又現地でのことなども含めこちらも更新していきたいと思っています。

その際には、
またお時間のあるときにでもお付き合い頂けましたら幸いです。

                      なすび









nasubi83 at 12:11│Comments(16)TrackBack(0)ボランティア 

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この記事へのコメント

16. Posted by なすび   2011年02月11日 07:18

徒然さん、おはようございます。

ご心配をお掛けしてすみませんでした。
年賀メールや帰国後すぐの優しいお言葉に
心温まる思いでしたよ。ありがとうございます。

日本へ帰ってきて寒さにめげそうな思いでしたが
その前にパリでの氷点下の日々を送っていたので
今は冬から春への季節の移り変わりを
少しづつ楽しむゆとりを持てるようになりました。

折角美しい季節なのですから、
母とランディと一緒にお花見でも行こうかと考えています。
大学や病院を長期欠勤していたので、あまり時間が取れないのですが
日帰りか一泊程度の近場なら
無理すれば連れて行けるかなって!
出かけられたら又ブログにアップしますね。
いつもありがとうございます。
15. Posted by なすび   2011年02月11日 07:13
ヨッコ先生、おはようございます。

帰国してすぐ耳に入ってきたのが
そちらでの火山噴火と降灰被害のニュースでした。
先生のお住まいの方では被害など出ていませんでしょうか!?

看護学博士号を取得するには
ドクターコースを修了しなければならず
まだそれほど多くの取得看護師はいませんね。
先生の教え子さんの中からも、
いずれ大学・大学院へと進まれ
修士号や博士号を取得される看護学生さんがでるのも
そう遠くないのではないでしょうか?

14. Posted by なすび   2011年02月11日 07:08

ニコニコおかみさん、おはようございます。

本当にご心配をおかけして申し訳ありませんでした。
お蔭様で何とか無事帰国も出来、
母に元気な姿を見せることも出来ました。
災害支援や人命救助の必要性を父の仕事を通して
理解している母ですがやはり同じような状況で
夫に続いて娘も失うのでは私としても申し訳ないので、
現地での行動には気をつけていたのですが
救命処置をしている隣で投石や強盗まがいの物盗りなどが
横行する現場でしたので今までと違った緊張感で
任務遂行に当たってきました。

それでも震災被害は免れたのに、
コレラに感染し命を危険にさらされる患者さんが
治療の効果が得られて回復されたときなどは
さすがに至福の思いになれます。
そんな時は支援に来てよかったなぁと実感できるのですけれど。。。

時間を作ってランディと一緒に、母にかけた心配を癒しに
三人でお花でも見に出かけようかと考えています。
もうすぐ春ですものね!
やはり四季のあるこの国が素晴らしいわが故郷なのですね!!
そちらではソロソロ梅から桃、
そして早咲きの桜の季節でしょうか!?

おかみさんもベトナムの素敵な思い出いっぱいですね。
現地に知り合いが居ることってそれだけで
その土地が素敵に感じられますものお店で繋がった人の絆が、
どんどん素敵な和となって広がっていきますね。
13. Posted by なすび   2011年02月11日 07:03

Wiredさん、おはようございます。

ご心配をおかけしましたが無事帰国しました!
奥様にもよろしくお伝えくださいね。
私の留守中、母が私のパソコンから何度も
皆さんのブログを訪問していたそうで、
Wiredさんのブログを見てはお子さんたちの写真に
何度もかわいいわねぇといっていたそうでした。
変なコメントを残していなければいいのですけれど・・・(^_^;)


12. Posted by なすび   2011年02月11日 06:59

Sacchinさん、おはようございます。

お気遣いさせてしまい申し訳ない気持ちでいっぱいです。
ひなたちゃんの成長やお引越しなどの忙しいときなのに・・

お蔭様で無事戻ることができ、自分のお部屋へ戻ったとたん
気が緩んだのでしょうけれど風邪を引いてしまいました(^_^;)
大した事無いので注射一本で大学では授業をこなしていますが
病院で患者さんに接するには感染させないよう
完全防備で仕事しています(^^ゞ

生まれ育ったこの国の、このリズムが私たちの中に知らずに流れ
そして受け継いで行けることの大切さとありがたさが
精一杯生きる活力になっているのですよね!
そしてsacchinさんのお生まれになった街(詳細はわかりませんが)は
昨年の雪国暮らし以来、私は大好きな場所のひとつになりましたよ。
人の温かな繋がりはsacchinさんを通しひなたちゃんへも
きっと優しく流れ伝えられていることでしょう。
そうやって私たちも受け継ぎ受け継がれて生きて行けるのでしょうね!
これからも力を抜きながらも頑張っていきましょうね。

11. Posted by なすび   2011年02月11日 06:56

アキラさん、おはようございます。

本当にご心配をおかけしました。
急な要請でしたが、それでもやはり現地で支援に当たると、
被災者の惨状を少しでも和らげられればと言う気持ちが勝り
不安を感じている暇がなくなります。
その分、母や皆様に多大な心配と迷惑をかけてしまうのですが。。

父が国連関係の仕事でしたので、
母は災害援助の必要性や、被災地の惨状なども熟知しており
私が緊急支援に就く事には賛成してくれるのですが
やはり内情は心配なのでしょうね!
夫の安否を気遣う日々を送った母が、今は娘の安否を気遣う日々ですから
最近は気遣うより父のように人のために生命をかけた仕事することに
誇りを持って送り出してくれています。

でも私まで復興支援で命を落としたら、やはり母はやるせないでしょうから
私も気をつけなければ行けないですね。。

10. Posted by なすび   2011年02月11日 06:51
ばあばさん、おはようございます。

本当にご心配をおかけして申し訳ありませんでした。
お陰さまで無事任務全うして離任することが出来ました。
ただ期間を区切って派遣される私と違って
自国の惨状を今後も引き続き復興目指して
やって行かなければならない被災者の方々は
本当に長い大変な道のりだと思います。
又何かの形で再興へのお手伝いが出来ればと思うのですが
自助努力も必要になる時期でもあるので、
支援の方法も今後の課題ですね。

私のようなおてんば娘の母親ではばあばさんに申し訳ありませんよ(笑)
心配ばかりかける娘ではお嫁にも行けませんよね。。
だから貰ってくださる男性が現れないのでしょうけれど・・・

9. Posted by なすび   2011年02月11日 06:47
ばーびーちゃん、おはようございます。

ご心配頂本当に感謝しています。
いつもご心配ばかりおかけしてすみません。。
私の留守中ランディは年末まで先輩の動物病院で過ごしましたが
その後母が一人のお正月が寂しいと言ってランディと一緒に
実家や私の留守部屋で過ごしていたようです。。
お陰で母は私を心配するよりランディの虜に成ってしまったようですよ(笑)
帰国してチョッと気を緩めたら風邪を引いたようです。。
気温変化についていけない歳になってしまったのかしら(^^ゞ


8. Posted by 徒然   2011年02月10日 13:47
おかえりなさい。
本当にお疲れ様でした。
こんなにも長期になるとは思っていなかったので、正直 ニュースでハイチの事を言っていないか心配する日が続いていました。
でも、なすびさんご自身は後ろ髪をひかれる思いで帰ってこられたとのこと。。。
なすびさんの使命感の強さにはいつも頭が下がります。

しかしながら、お母様・ランディ君はとっても心配なさったと思いますよ。
今度は後ろ髪をひかれないほどに家族孝行なさってくださいね^^
7. Posted by ヨッコ   2011年02月09日 15:33
無事任務全うされてご帰国お疲れ様でした!
私はてっきりなすびさんは看護学博士の称号をお持ちだと思って
コメント欄に書いてしまいすみません。
大学院ではマスター専攻だったのですね!

そんな素晴らしい経歴の看護師さんが
危険な海外援助に出ないでもと思ってしまうのは
私がもう年を取りすぎたからでしょうかね!?
今後は看護界のみならず医学界全体の為にも
ご活躍くださいね。

ただねぇ正看護師にもなっていない准看護師さんが
なすびさんに向かって「医療知識のない人は・・」とコメントするのは
やはり身の程知らずというのか、
田舎モンの特徴の井の中の蛙的な人なのでしょうね。
60歳近い人の発言とは思えないですね。
私も同じような年齢ですけれど。
6. Posted by ニコニコおかみ   2011年02月09日 10:55
なすびさん 無事帰国お帰りなさい!
危険と隣り合わせの中での任務、
お疲れ様さまでした。
きっと 私たち以上に心配されていたであろうお母さんも ホット胸をなで下ろされた事でしょう。
ランディ君の喜ぶ姿も目に浮かぶようです。
ゆっくりと体も心も癒して
お母さんやランディ君との時間が取れると良いですね。
5. Posted by wired   2011年02月08日 23:17
おかえりー
いやーよかった
元気で無事に帰ってこられて
よかった
おかえり(^_^)v
4. Posted by sacchin   2011年02月08日 18:55
お帰りなさい!
ニュースで見るたび、なすびさんの安否を心配してました。
お母様も気が気じゃなかったでしょうね。
後ろ髪ひかれる思いとの事ですが、とにかく無事戻って来られて良かった。
久しぶりの日本はどうですか?
現地の緊迫した状況と比べると、生ぬるい社会でしょうね。
そう思いながらも、そこにどっぷりと浸かりながら生きてる自分。
人生ってなんなんだろうと思ってしまいますが
自分が生まれたこの環境の中、精一杯生きるしかないんですよね。
3. Posted by shinobueakira   2011年02月08日 17:14
先ほどデイケアのアルバイトから帰ってきました!
なすびちゃんのコメントを見て安心しました。・・・おかえりなさい!!
何時も過酷な環境の中へ乗り込んでいくなすびちゃんの姿を想像するだけですが、赤道直下の暑さとの闘いもあったことでしょうね!
なすびちゃん達の救援活動で全てが解決することはないでしょうが、このような活動の積み重ねがハイチの最終的な復興に繋がるのだと思います。
何時も被災地に支援に行くたびに、お母様やランディ君も辛い寂しい気持ちで送り出しているんでしょうが、無事に帰ってきてくれてホッとしておられることでしょうね!
風邪気味のようですが、少しゆっくりされて元気を充電してくださいね!
お疲れさまでした!
ランディ君とゆっくり遊んでくださいね!
2. Posted by Happyばあば   2011年02月08日 14:17
なすびさん長い間の被災地でのお仕事お疲れさまでした。
環境が余りにも違うところでの緊張を伴ったお仕事はさぞかし大変だったことだと思います。
BSの海外ニュースなどを見てはハイチのこと何か言わないかな~と待ってたのですが、被災から1年という時くらいしか見られませんでした。
まだまだ復興もままならない状況のようでしたね。
ベッドの上で声上げて苦しむ元気(?)すらないような子供たちが痛々しかったです。
心残りはあるようですがとにかく無事に帰られてホッとしました。
お母さまもきっと同じだと思います。
「私なんかはとてもなすびさんの母親にはなれない!」
とオットットさんに変な太鼓判を押されてしまいました。
オロオロするばかりですから・・^-^;
体に気をつけて日常業務に復帰されてくださいね。
1. Posted by ばーびーちゃん   2011年02月08日 13:07
Welcome back!

長く危険な任務でしたね~。
いったいどうしてるのか?心配してましたけど、
まずはご無事で本当に良かった!

うーーーむ。
お仕事とはいえオバチャンとしては
ヤキモキしてしまいますよ。

ランデイ君はお元気ですか?
お母様も随分ご心配されたと思いますが
お体にはくれぐれもお気を付けて。
落ち着いた頃に疲れが出やすいので
無理しないでくださいね。

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