2011年03月28日

普通こそ幸せ

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ご心配をお掛けしていますが私は元気でいます。
震災当初、地元での被災患者さんの情報確認や
震源地に近く最も被害を受けた地方からの患者さんの受入の為
所属病院にてその対応準備に努めていました。

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被災状況が明らかになるにつれ
被災地での救命患者さんの対応ができない事が明らかになり
その後通信手段のない地域での患者数の把握すらできなく事で
各地・各団体が緊急支援に現地へ赴くことになりました。

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関東近郊の3次救命を担う病院では
東北地域よりの搬送受入の為、スタッフや薬品などの確保や
前線へ送り出す指揮命令系統の基地となる為に
直ぐに被災地に入ってくださったのは関東以遠のDMATなど
既にニュースなどで報じられた通りです。
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やがて受け入れるための搬送に要する燃料や
現地での情報入手の難しさも手伝い、
現地からの搬送を待つだけでは間に合わない状況になり
海外の救援隊や国内各地の団体が一斉に人命救助へ駆けつけ
徐々に大きな病院から医療体制も立ち直りが見えたのですが
停電や物資不足で診療も侭ならず、避難所では体調を崩す方も増え

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出来るだけ早く診療体制の整った地域への移送が急務となり
うちの病院からも医者や看護師以外にも
避難所での診療補助の目的で、教え子でもある看護学生も
私たちと一緒に現地へ入りました。

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私は緊急処置の必要な患者さんの搬送に同行するため
民間のドクターヘリや各地から応援に駆け付けた救急車で
患者さんを北海道から関東のいくつかの病院へ送り届けました。

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その間に薬品や衛生資材などの補給の為
ここ数日地元へ戻り現地で不足しているものを調達しています。
そして今日の午後又現地へ向かいます。

そんな状況ですが少しでもこのブログを見て下さった方が
現地の生の状況を見て感じて下さったらと思い
移動中などに撮った写真を掲載しておきます。

ここは原発避難地域のすぐ外側です。
津波で町が壊滅した岩手・宮城の沿岸地域へも行きましたが
今はこの退避エリアで移動困難な患者さんのケアの為
活動しています。



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これは自宅の井戸の蛇口に竹を割った樋をつなぎ
生活水として利用しています。
横に見えるのが情報収集のためのパラボラアンテナ。

兎に角みんなで今を切り抜けています。
日々やり過ごすことにこれほどのエネルギーが必要なのかと
先の見えない不安に震える被災者さんの身体や心のケアに
もう暫く向き合っていこうと思います。

そうした状況下ですので
コメント頂いていた皆様へのお返事が出来ませんが
もう一度帰宅できましたら必ずお返事いたしますので
どうぞこのご無礼をお許しください。

そしてこれを読んでくださった皆様に
申し訳ありませんがお願いがあります。

どうぞ皆様はお身体を大切にされ、体調を崩される事のないよう
そして笑顔をお忘れになる事のないようお過ごしくださいね。
併せて節電・節水にご協力くださればこの上なく幸甚に思います。


それではこの足でまた現地へ向かいます。


季節の変わり目でもあり、体調変化の季節がら
どうぞ皆様ご健康であることを大切にお過ごし下さい。

「日々普通」こそ一番の幸せなのかも知れません。







nasubi83 at 11:03│Comments(16)TrackBack(0) ボランティア 

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この記事へのコメント

16. Posted by なすび   2011年04月09日 11:48
shinjiさん、こんにちわ。

先ほども前の記事へのコメント書きましたが
本当にお父様がご無事で治療を受けられ
良かったですね。
災害時はどうしても高齢者や子供たちなどの
生活弱者がそのまま取り残されがちになってしまいます。
取分けこうした未曾有の災害では
二次・三次の被害発生を避けるために
出来るだけ早期に患者さんや自分で退避できない方を
適切な環境下へ移送させるのも私たちに出来る数少ない仕事です。

こうしてお礼を言って頂けることは
私たちにとってはこの上ない幸せです。
どうぞ助かった命を大切に見守ってお過ごしくださいね!

本当にありがとうございました。

15. Posted by なすび   2011年04月09日 11:43
アキラさん、こんにちわ。

長い長い坂を上らなくてはなりませんね。。
坂の途中には大きなバンプもあって
それが阪神淡路に匹敵するほどの巨大余震だったり
放射の危機だったりと中々前を熟視できません。

現地にいると被災された方の中でも
その格差が大きく
自宅で直ぐ仕事に戻れる方もいれば
自宅やお仕事も失くしてしまった方もいらっしゃり・・・

避難所で流れるTVニュースで各地の春の便りも
空しさに感じてらっしゃる方が多いのに
被災地の現実を見た気もしました。

まだまだ長い坂を上る被災者の方々を
健康面でサポートできればと思います。。。

14. Posted by なすび   2011年04月09日 11:35
toshiyanさん、こんにちわ。

いつもご心配をお掛けしてしまい申し訳ありません。
お陰様で私は何とか元気で過ごしています。
さすがに大きな余震に恐怖を覚え、
現地での悲惨さに心揺さぶられることも多く
帰宅してやっと今涙しています。。

やはりあれだけ大きな災害ですと
見るもの知るものすべてで悲しさに包まれます。
そしてやっと光が見えだしたかと思った矢先の
あの巨大余震に万策尽きたかと言う諦めも伝わり
かなりハードな支援でした。

それでも私は戻る部屋がありますから
被災者の方を思えば贅沢なことですね。。。

13. Posted by なすび   2011年04月09日 11:30
sacchinさん、こんにちわ。

先ずはおめでとうございます!!
今が大切なときでもありますから
どうぞお大事にしてくださいね。

そして何よりご実家の方は被害ありませんでしたか?
ご主人様のご実家も日がいない事だと祈っています。
どうぞ心安らかにお過ごしくださいね。
年内の吉報を楽しみにしていますよ(^^)
12. Posted by なすび   2011年04月09日 11:27
あいさん、こんにちわ。

ご心配をお掛けしましたが昨夜遅くに帰宅できました。
今回はお察しのように保健師としての派遣でしたが
福島への派遣は自治体が中々前向きになれないようですから
どうしても不足してしまいますね。
それでも何とか駆け回って来ましたよ。

ご体調はその後いかがですか?
私がいない間も通院日があったでしょうが
検査結果で不安が有ればまたご相談くださいね。

11. Posted by なすび   2011年04月09日 11:23
ばーびーちゃん、こんにちわ。

今回の余震には驚きましたが
何とか無事に帰宅できました。
いつもご心配ばかりお掛けしてすみません。

ばーびーちゃんはその後体調いかがですか?
もし不安な事でもあれば連絡くださいね。
いつもありがとうございます。

10. Posted by なすび   2011年04月09日 11:20
ばあばさん、こんにちわ。

避難所での生活はやはりかなり不自由です。
それでも前向きに考えようと頑張る方々も多く
これなら復興も近いなぁと思っていた矢先のあの余震。。
さすがに私も震えるほどの恐怖を感じました。
避難所近くにあったという桜の名所も津波で流され
今年の春は避難所にはまだ遠いのかもしれないですね。。
でもきっと心の中へ届く春は来るはずですもの。
前を向くことを忘れないように行きたいですね。
9. Posted by なすび   2011年04月09日 11:14
wiredさん、こんにちわ。

何のご報告も出来ずにご心配をお掛けしてすみませんでした。

一度目の派遣時は被災された患者さんの治療や現地での医療行為続行が難しい患者さんの
北海道や関東・北陸などへの移送に従事し
今回は避難生活の長引く被災者さんの
健康管理や病気予防などの業務を主体とした
任務を遂行してきました。

私は帰るところが有るのですが
避難所で生活する方々は本当につらい思いでいる事が
肌で感じるので、現地で流せなかった涙を
今自宅でいっぱい流しています。
やはりつらいですね。。。

8. Posted by shinji   2011年04月02日 22:52
又放射能汚染地域へ駆けつけて下さったのですね!
お陰様でうちの親父はなすびさんたちの献身的な努力で
原発退避地域から千葉の病院へ搬送していただきました。
やっと親父の笑顔を見る事が出来ました。
本当に感謝しています。

私にとっては故郷の思い入れがありますが
なすびさんたちにとっては単なる被災地なのに
危険を顧みずに現地へ入ってくださり
困難を乗り越えて患者を危険区域から運び出してくれて
安全な治療を受けられる病院へ運んでくれたのには
本当に言葉に表せない感謝でいっぱいです。
どうぞ気を付けて活動に当たってください。
ありがとうございました
7. Posted by shinobueakira   2011年04月01日 00:27
まだまだ大きな余震も頻繁に発生していますので、なすびちゃんも十分身体に気をつけてくださいね!
一瞬のうちに家族や家を失ってしまった喪失感は精神的にもケアが必要になってくると思います。
復興に向かって時間はかかると思いますが、全世界が応援してくれているからきっと立ち直ってくれると思います。
一人ひとり何が出来るか・・・・・
今は献血も混んでるようです。
復興への道は長い坂道でしょうが、普通の日が来るまで皆で頑張りましょう。
6. Posted by toshiyan   2011年03月31日 09:30
ハイチ、ニュージーランド、そして東日本大震災と殺人的なスケジュールで飛び回られるなすびさん、ご自身は大丈夫でしょうか?
wiredさんがコメントされているように、もう少し医療関係者・海外からの支援活動の様子なども報道されるといいのではと思います。
毎日の被災地報道に心が痛みますが、自分にできるのは義援金で応援することぐらいしかありません。
被災の混乱にに乗じて盗みや義援金詐欺をするけしからん人間もいるみたいで、なんだか同じ日本人として恥ずかしい思いです。
体に気を付けて頑張ってください。
5. Posted by sacchin   2011年03月30日 18:03
きっと、写真だけでは伝わらないものが
現地には沢山あるんでしょうね。
私は助けたくても、現地には行けないし
なすびさん、どうか大変でしょうけど
頑張ってください。
応援しかできなくてすみません。
4. Posted by あい   2011年03月29日 11:08
「福島県が保健師不足にあえいでいる」
こんな見出しがニュース記事に載っていましたが
その危険地域に入って活動するなすびさんには
本当に頭が下がります!

なすびさんは保健師さんの資格も持っていましたものね。

原発避難地域のすぐ外側での活動のようですが
どうぞお体に気を付けてください。
3. Posted by ばーびーちゃん   2011年03月28日 22:34
きっと現地で頑張ってらっしゃるだろうな、
と思ってました。
なすびちゃんこそお怪我や
体調崩されることのないよう
お気をつけて下さいね。

無事のお帰りをお待ちしてます。
2. Posted by Happyばあば   2011年03月28日 16:32
なすびさんお疲れのところブログで現地を紹介してくださってありがとうございます。
今は原発にばかり注目が集まってて被災者の方々がどのような状況なのか今一つ状況がつかめません。
目を覆いたくなるような現場を目の当たりになさっての活動、疲労も相当なものだと思いますが、くれぐれもご自愛くださいね。
コメントのお返事はいりません。気になさらないでください。
普通の日常をありがたく受け入れながら
私たちにできることそれなりに頑張ります。
お大事に!!
1. Posted by wired   2011年03月28日 12:31
ブログの更新を見て
安心しました、TVなどの報道を見ているとなすびさん達や救急医療、救援、海外からの協力、米軍などかカットされていて、皆さんが命がけで戦っておられる姿が流れないのが残念
僕は義援金をする事ぐらいしか出来ませんが、くれぐれもお身体にきおつけて、頑張って下さい

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