2012年04月07日

笑顔の裏側に。。。

年度末まで被災地の医療支援に携わってきました。

仮設を回ったり、僻地医療の支援をしたりしていると
自然と被災住民の方々とも顔なじみになり
何度目かの訪問の頃からか、
皆さんから声をかけていただけるようになりました。

なかには「看護師さん」ではなく、私の名前で呼んで頂ける方も
いらっしゃって直接の病気の質問だけではなく、
少しづつですが今後の不安や家族の将来などについて
心の奥底に溜まっていた他人に話せない程のお気持ちを
吐露していただけるようになりました。

それは精神衛生上本当に良いことなのですが
そのお話のなかには聞いているだけでも涙がでてしまうほどの
お辛い気持ちも伝わってきて、私まで砕けそうになる事もシバシバ。。。
まだまだ未熟なのは分かっていますが、
一緒に涙することもここでは必要だったようにも思います。

そして感じたいくつかのことは、
誰よりも辛い境遇であるはずの震災孤児になってしまった
中高生の子供たちの多くがいつも笑顔でいてくれること!
これには支援に行った私の方が何度となく励まされてしまいました。

その笑顔の秘密をそれとなく尋ねると
多くのお子さんたちが同じようにこう答えてくれました。

「いつまで泣いても始まらないし、
 死んだお父さんやお母さんが見守ってくれるから
 私が泣いてたら天国でも心配でゆっくり出来ないでしょう?」

そう言って唇を噛み締めながら笑顔になってくれました。


そんな強さを持った笑顔を見せてくれた一人の男の子。
両親が津波に流され兄妹だけが残った中学3年生だったお兄ちゃんは
高校進学を一旦諦め、先ずは今春中学校に進学する妹さんと一緒に
新聞配送所へ住み込みでの就職を決めました。

そこのご主人夫妻が診療所へ来ていた事もあって
双方とも私と顔見知りだったので
お兄ちゃんの中学卒業、そして妹さんの小学校卒業のお祝いと
新聞配送所への就職のお祝いを兼ねて
新聞屋さんの二階で行われた祝賀会に誘ってくださいました。

そこで所長であるご主人が
「いわれもない風評被害もあって、
 こうした子供たちが悲しい思いをしているのだから
 我々大人が出来るだけの支援をして守ってあげないといけない。
 この子達は一旦他県に住む遠縁の親類のところで暮らしたけど
 そこの学校ではまるで寄付を受けた可哀想な子供たち
 という差別を受けたんだよ。

 親御さんが震災義援金を出したことや、震災孤児への基金へ
 お金を送ったと子供の前でも自慢気に言うんだろう。
 だからその子供達は自分の親のおかげで
 震災孤児が助けられてると思い込む。
 それが自然と学校でも言葉に出たんだろうけど、
 言われたこの子達は辛いだけだ。

 本来寄付は気持ちの問題だろう!
 自分がした寄付を「いくら寄付した」とか人に話す問題なのか?
 寄付をしてくれる気持ちは本当に嬉しいけど、
 立場が変わればこっちだってしている。
 誠意を人にアピールするのは善意ではない気がしてならない。 

 それに原発事故以降、福島からの避難者というだけで
 「放射能がうつるから」なんて言われて
 右も左も分からない初めての土地で奇異な目で見られたことも有る。
 今ではある程度認識もあるからこういうことは減ったろうけど
 事故直後にこうした風評を意識しない騒ぎがあったことも事実。

 せっかく助かった命なのに、こうした言われなき辛さを与えたのも、
 心無い大人たちの勝手な思い込みからの言動なんだから
 大人の責任として皆でこうして親を失った子供たちを
 見守って行くのがせめてもの訃ぐないだからな」
そう私に呟かれました。

そう言われた所長さん自身も、ご自宅を津波で流され
お父様は未だに行方不明のままと言う
震災被災者のお一人なのですが。。。


春の便りがあちこちから届きだし、
お花見など心も浮かれる季節が訪れましたが
心無い軽率な発言や行動にだけは気を付けたいと
改めさせられる思いでした。

彼らの笑顔の裏側には、辛さをかみしめた
今は亡き大切な人への思いがいっぱいに詰まっていることを
忘れないであげてくださいね。








nasubi83 at 11:58│Comments(10)TrackBack(0)徒然に 

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この記事へのコメント

10. Posted by ヨッコ   2012年04月19日 01:18
同じ九州の人としてなすびさんへ申し訳ない気持ちです。
なすびさんもこの対応にかなり悩んでいるのが分かりますが
あまり気にしすぎてもゆっくりする時間を作れませんよ。
今は自分自身のリフレッシュのためになる時間を使ってください。
そういってもこれだけ平然と書かれると唖然とするしかないかな?
私もこの方のブログを読んでみましたが
九州男児としては珍しくお調子モンな人柄の様子で
安易に「世のため人のため」などと言った言葉を使われていますが
伴った行動は見受けられずに同世代のおばさんとしては
かなりガッカリというか情けない思いをしました。
それ以上になすびさんや被災者の方は辛い思いをしたのですから
軽々しく「世のため人のため」などと使って欲しくないなぁと実感しました。
それほど相手の気持ちを理解できない人もいるということで
なすびさんは気にされることないと思います。
どうぞ自分の心と体を休めるために時間を使ってください。
コメントへの返事は要りませんからゆっくり休んでください。
9. Posted by ママさん看護師   2012年04月17日 15:05
う~ん、ちょっと驚きでしたね!
何事もなかったようにコメントするなんて
ご本人はあの時の自分のコメント忘れちゃってるご様子ですか??
なすびさんもどう対応していいか迷っているのでしょう!
確かにストーカーにでもなられたら怖いし
普通に返答しても被災者が受けた苦痛は
この人には通じそうにないしね。
多分また自分の誕生日に孤児に寄付したとブログに書くような人だし
それを見たおばさんたちが「素晴らしい」とか書けば
有頂天になってここで騒いだ事など気にもしないでしょう。
あれだけ現発批判や政府批判してたのだから
その後自身で何か訴える行動にでたのかとみれば
何一つやっていないで文句だけ綴っているだけだから
なすびさんたち支援者の苦労や被災者がうけた
悲しい現実など自分のコメントが責任とは
未だに理解できないでしょうから
本当に気を付けなさいね。
対応は難しいでしょうけど
ここは気を強くもって対応するのもこの人のためだよ。
なすびさんがこんなことで気を休める時間がなくなることを
みんなが心配していますからね。
8. Posted by チャーミン   2012年04月15日 11:23
マジ気を付けた方がいいよ!
多分自分は何一つ悪いことしてないって
思いこんでしまう人だと思うけど
自分の意に反すると逆怨みするタイプ。
ストーカーにでもなられると大変だから
余り優しく対応しないように気を付けて。
7. Posted by りんパパ   2012年04月14日 17:21
shinobueakiraさんへ
あなたはご自身のされた行為を理解された上で
ここへコメントされているのですか?
あの時どれ程なすびさんが悲しい思いにさせられ
あなたのコメントに悩まされていたかわかりますか?
何度も涙したり申し訳ない気持ちで被災者に対峙したり
彼女の事だからそんなことを不満げに口にする人じゃないので
逆に心配になって何度もうちの嫁が電話していましたよ!

それにここにもあるようにあなたのような
口先だけで不満を行っていて、喉元過ぎれば厚さ忘れるのごとく
自分の巻き起こしたことを侘びるでもなく
贔屓の野球チームの話の傍らなどに
命をかける献身で被災者を救った人を
もうかき回すことはやめてあげてください。
お願いですからもう彼女を辛い思いにさせるのは勘弁してやってください。

大人の責任として子供たちの夢を摘むことのないよう
相手の気持ちを理解するよう考えていただけませんか?

あまりに非常識なので居ても経ってもいられなく
私がいきり立ってこうしたコメントしてしまいました。
なすびさんには迷惑だったね。ごめんなさい。

6. Posted by shinji   2012年04月14日 14:46
なすびさん、少し本格的に気を付けられた方がいいかもしれないよ!

↓の方、ご自身が起こしたこのブログ封鎖騒動や
コメントによる被災者の気持ちを逆撫でる行為について全く意図してない様子。

本当になすびさんのブログの閉鎖をさせようとしいるのか
本心から被災者をバカにしているのか?

一年経ってやっとなすびさんが更新できる環境になったというのに
何事もなかったように平然としているのは
チョット怖いです。

あちらのブログ見たけど、あれだけ原発云々とか政府批判していたかと思ったら
今はホークスが調子いいとか
全くあの時なすびさんが辛い思いをしたことも理解できてないので気を付けなよ。

それにこの人のコメントで震災孤児も傷ついたわけだし
我々被災者も悲しい思いをさせられたんだから
これ以上辛い思いをさせないためにも
コメント制限するなりしないと危険かもしれない人だよ。
このご時世気をつけるに越したことないからね!

5. Posted by shinobueakira   2012年04月14日 06:50
被災地の支援活動お疲れさまでした!
ランディ君の誕生日も近づいてきたようですね、何時もお留守番で頑張っているランディ君に何かご褒美が要りますね。
ゆっくりする時間は少ないでしょうが、なすびちゃんにも少しゆっくりできる時間があると好いですね。
4. Posted by りんパパ   2012年04月12日 15:45
以前、政府や原発を避難することで
自分は正義を唱えていると思い込む輩が多いと
石原都知事が言っていたのを思い出します。
原発反対デモの際に
「対案を示さないで文句だけ言うのならガキと同じ」と言って
物議を醸していましたが
ここへ来て東京都が東京電力の筆頭株主になって
今回の値上げの根拠の究明や役員人事にも積極的に
株主定義していく姿勢を示しましたね。
東京都として対案をこうして示し
原発問題にも対応していこうとする姿勢が
これからを担うこうした震災被災者の子供たちの
希望になって欲しいと願う思いです。

文句だけ言っていても子供の目には
無責任な大人にしか見えないでしょう。
子供たちに希望を与えられる大人の責任として
これからも見守っていかなくちゃいけないね!
なすびさんもいっぱい気をもんだり辛い思いもしたでしょう。
でもあなたの考えや行動は子供たちにしっかり届いているはず。
だから今度は少しご自身の体と心を癒すために
時間を使ってください。
落ち着いたらランディ君と一緒に又遊びにきてね。
りんもりんママも楽しみにしているよ!
3. Posted by ヨッコ   2012年04月11日 01:14
なすびさん、本当におつかれさまでした。
そしてありがとうございました。
こちら九州では既に桜も盛りを過ぎ孫の入学式も満開をちょっと過ぎていました。
そんな中で私も春の浮かれ気分になっていましが、やはり直接被害を受けていないこともあって
あの災害も少しづつ心から薄れていた気もします。
そんな時この記事を読んでまだ何一つ終わっていないことに気づきました。

所長さんのお言葉がこの子供たちの心の奥深くを代弁していますね。
立場が変われば東北の人に九州の私たちが義援金を頂いているかもしれません。
助け合いの気持ちを心ならずも自慢気に話すのも善意では無いですね。
受ける側は欲しくて義捐金や孤児基金をもらうわけではないですものね。

一時は日本の国を挙げて復興へ向かおうと言った声が聞かれたのに
直接放射能に関係ない岩手や宮城の震災ガレキの受入も拒否が続いたりと
子供の目を通して見ると、口先だけの信じられない大人の行動が多いのでしょう。
あれだけ騒いでいた人たちは今どんな活動をされているのかと思ったりました。
喉元過ぎれば暑さ忘れる、そんな情けない大人と思われないよう私も含めて行動しないといけませんね。

なすびさんは充分CNSとしてご活躍されてきたのですから
今度は少しゆっくり休んでくださいね。
2. Posted by なすび   2012年04月09日 17:20
ばあばさん、こんにちわ。

大正の関東大震災や平成の阪神淡路大震災の際に
情報の錯綜や思い込みから色々なデマも出て被災した人や弱者と呼ばれる方々を追い込んでしまった
悪しき経験を聞かされていました。
そして今回のように放射能と言う新たなファクターが襲ったときに
同じ過ちを繰り返さない為にも
「冷静さを保てる国民」と海外から賞賛されましたね!

なのに一年経って子供たちは肉親を失った以上に
辛く悲しい言われなき闇の中へ突き落とされていました。
それどころか当時「命の尊さを知らない若者が増えた」とか
「復興への道筋を一丸となって進めよう」などと
大風呂敷を広げた大人たちを
「信じられない存在」と思うようになっています。
そう思わせてしまったのも私達大人の責任ですね。

このお兄ちゃんは夕刊を配り終えた後からでも通える夜間高校が
近くにないので進学を諦めていましたが
こちらから通信制高校の入学書類を一式送ってみました。
これなら夏休みなど上京してスクーリングに出る際など
私も勉強を見てあげられますし、
3年で高校卒業の資格も取れますから。

やってあげられることは微々たるものしかありませんが
行動の伴わない「言うだけ」とか、「自己満足・自慢だけ」とかの
無責任な行動をしないことでも
大きな支援になるような気がしてなりません。

子供たちの夢は決して大人の手で摘んではいけない。
そう心して生きていきたいと思います。
1. Posted by Happyばあば   2012年04月07日 23:19
なすびさん大変お疲れさまでした。
帰って来られてもすぐ新学期が始まり多忙な日々は続くのでしょうね。
ご自愛のほどお祈りいたします。
福島の富岡町と言う所は、夫が子供たちに指導していたスナッグゴルフの全国大会を毎年企画し、取り行って下さってたので、大変お世話になった所なのですが、今は立ち入り禁止区域で町を挙げて転居していますね。
県外に出た子供が多い中、富岡第2中学校の3年生で残っている9名の事をTVで放送されてました。卒業を控えて将来を語り、それぞれ進路も希望通り決まっていました。
その前途希望あふれる子供たちが、自分の努力以外で夢を壊されることがあってはならない・・となすびさんの記事を読んでいて痛感しました。

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