2012年04月22日

前を向いて。。。

今年になってからでも何人の出生に立会い
そして何人の方々をお見送りした事でしょう。。。

被災地を中心に活動する時間が長かった分
震災によると思われる体調悪化から
重篤な状態への患者さんも多かったです。

折角あの恐怖の揺れから身を守り、
続いて襲ってくる経験したことのない程の津波。
その悲惨な時間を何とか掻い潜り、見ず知らずの他人とも助け合って
やっと本当にやっとと言う思いでつなぎとめた命だったのに。。。

反面、震災後にご懐妊され避難所とはいかずとも
自分のふるさと近くでの出産を望まれる妊婦さんも多く
毎日の放射線量を気にされながらも
診療所までの道のりを健診に通ってこられた新米ママたち。
そんな明るい話題も有りました。

ただ元気な赤ちゃんを授かったお母さん方の中にも
あの恐怖のフラッシュバックや地域間の認識不足からの風評などから
育児の不安も増して産後欝を発症する割合が
被災しなかった地域に比べて高く
それぞれの方々の心のなかには今だ複雑な思いがいっぱいです。

みなさん本当にやっと助かった命なのに
余震の恐怖や未知の放射線の恐怖、そして避難を余儀なくされ
生まれ育った故郷との別れ。。。
新天地での心無い人々の言葉による差別や
勝手な思い込みから浴びせられる阻害感に直面しての精神的重圧。
そういう中での持病の急速な悪化も悲しい現実でした。

極悪施設のように言われる原発施設へも事態の悪化を防ぐため
震災当初より毎日避難所や仮設住宅から通う地元の人々。。
日本中から批難される施設であり、危険な地域である原発へ
毎日毎日大切な息子を、夫を、父親を送り出し見守るしかないご家族。
送り出したあとに祈り続けるおばあちゃんや小さな子供たち。
まだ避難所にいたひとりの女の子は、原発へ通うお父さんについて
「お父さんは悪いことしているの?
   TVで皆がお父さんの会社が悪いって言ってる」
そういって泣き付いてきた時には
彼女を抱きしめた私まで一緒に涙していました。
この子の心の傷は生涯消し去ることはできない気もします。

命は本当に尊いものですね。
あれ程の災厄を受けた街でも、
徐々に徐々にこれからを見つめていらっしゃいます。
余震や放射能の恐怖は未だに消えることはありませんが
風評や差別は被災しなかった地域の方々の心持ち一つで
すぐにでも消し去る事ができるように思います。


先日春の園遊会へ行ってきました。
宮内庁から届いた招待状を受け取ったとき
正直私が出席して良いものかとかなり悩みました。
大学の上の人にも相談したり、
同じ分野で招待された先輩方の後押しもあり
赤坂御苑へ向かいましたが、そこでもやはり違和感を拭えません。
私は晴着を着てこうした晴れやかな場所へ出て
皇族方に拝謁しているその瞬間にも、
ハイチや東北の被災地では皆さんいつものように
復興への時間を過ごされていらっしゃるというのに。。。

そんな時、昭和天皇の時代の園遊会にも父の配偶者として同行し
今回私の同行者として二度目の参列となった母から一喝されました。

「被災した人は皆胸を張って前を向いてるはずでしょう。
 貴女はこれで支援が終わったとでも思っているの?
 まだまだこれから何度でもどんな悲惨な被災地へも行きなさい。
 そしてみんなが笑顔になる様に働きなさい、
 パパもそう願っているはずだから!
 だから貴女も胸を張って今を生きなさい」

私には大きなアドバスでした。
あの父にしてこの母ありです。。

みんな前を向いて生きているんですものね!
意見の違いは理解できることも出来ないことも有るかも知れません。
確かに生きていく上で唖然呆然とする行為に出会うこともあるでしょう
そしてお互いに笑顔になれる程の共感を得ることもあるでしょう。
それが生きている証でもあるように思います。

風評で人を傷つけたり、自分の善意をひけらかすことは
やはり控えるべきだと思います。
ニュースの本質を自分の言葉に置き換えられずに受け売りするのも
時として人を苦しめることになりかねません。
それでも差し出す手は引いてはいけないようにも思います。

そして皆さんから私にいただいたコメントやメールそしてFBでも、
一つ一つが全て私への励ましや思いやりだと信じ受け止めています。
本当にありがたく読ませていただきました。

意見の相違は何かを生み出す大きな切欠になるはず
だから非難ではなく,
なぜそういう考えを出すのかを問う事が
前を向いて行くために必要な気もします。

皆様から頂いた本当に優しい心のこもったメッセージに
励まされ助けられ、そして前を向く力をいただいています。
本当にありがとうございました。

失礼ながらこの記事を皆様から頂いたメッセージへの
返信とさせていただければと願います。



園遊会が催された赤坂御苑
園遊会が催された赤坂御苑


招待客へのお土産は菊のご紋入り“どらやき”
招待客へのお土産は菊のご紋入り“どらやき”
父の時にはやはりご紋入りの日本酒だったそうです。
皇室から配られる物はやはり失せ物なのでしょうね。





nasubi83 at 02:58│Comments(8)TrackBack(0)徒然に 

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この記事へのコメント

8. Posted by なすび   2012年04月24日 18:03
徒然さん、こんばんわ。

父を早くに亡くしているので
母の生き方に大きな影響を受けているのは自分でも感じますが。。。
素敵なのでしょうか・・・?
最近は嫁に行けという言葉も久しくなってきたような気がするのは
 気のせいかしら。。
それとももううちの娘じゃ貰い手もなくなったかと
達観しているのでしょうかね?
被災地へ出向くのは重々納得していますが
私は早くお嫁さんに行きたいですよ、もう遅いかもしれませんが。。。
と、理想のご家庭を築かれている徒然さんに
泣きを入れてみました(^^ゞ
愚痴ってゴメンね!!
7. Posted by なすび   2012年04月24日 17:55
あいさん、こんばんわ。

危険だからとか極悪な施設だからといっていても
現場ではその施設をこれ以上の被害が出ないよう支え続けている名もない作業員の方々がいらっしゃいます。
おっしゃるように自分の家族なら耐えられない思いも
全体的な施設の問題と見ると不平が先に出るのも現実ですね。
こうした名もなき作業員の方々の存在も
忘れないで居てください。
それも又この原発事故の現実のひとコマですものね!
6. Posted by なすび   2012年04月24日 17:50
ヨッコ先生こんばんわ。

母は優しいのだかどうだか???
父が難民キャンプでの支援中に羅患したことが原因で
命を落としているので、私にはできる限りの医療支援を
必要としている人々の下でするよう普段から
口癖のように言っています!
本音は孫の顔と言いたいのでしょうけど
私によって来て下さる人が出来そうにないことも
既にお見通しのようです(-_-;)
5. Posted by なすび   2012年04月24日 17:42
ママさん看護師さん、こんばんわ。

その節はこちらこそいろいろお世話になりありがとうございました。
母も楽しんだようでよろしくお伝え下さいとの事でした。
仰られるように自分の意見は自分の言葉で発する事で
その真意を理解し合えるよう話し込めるはずですね。
こちらこそ色々アドバイスいただき助けられました。
ありがとうございました。
4. Posted by 徒然   2012年04月24日 10:57
やっぱりなすびさんのお母様は素敵な方なんだなぁ~と思いながら読ませていただきました。
皆さんがおっしゃるようになすびさんのブログから、本当に色々な事を学ばせてもらっています。
きっと沢山悩んだだろうに『意見の相違は何かを生み出す大きな切欠になるはず…』そんな風に全部を包み込めるなすびさんの包容力にも感激です。
3. Posted by あい   2012年04月23日 10:05
現地で最前線で働く人々はなすびさんのように
みなさん命懸けでこれ以上の悪化を防ごうと働いているんですね。
こういう方々がいらっしゃらないと自体は悪化するばかりだけど
こちらではそう言う現場の現状がニュースでは伝わってこないので
現場で命懸けの作業をしている人の存在を忘れてはいけないと思いました。
そのご家族の苦悩も心しておかなければいけませんね。
自分お家族だったらと思うととても耐えられないけど
関係ないと文句ばかり口から出るのも悲しい現実です。
でもなすびさんのブログの力はこうして気付かなければいけない事を
伝えてくださるのでありがたく読ませてもらっています。
ご自身もお体大切にしてくださいね。
2. Posted by ヨッコ   2012年04月23日 00:48
なすびさん、こんばんわ。
色々辛い思いもされたでしょうに
なすびさんは優しいですね。
そんななすびさんを育てられたのはやはり優しさにあふれたお母さんでしょう。
言葉の節々に感じられますよ。
でも本音はソロソロ孫の顔がってところかな?
お父様も招待された事があるなんて
なすび家は由緒有るお家柄なんですね。
そして素敵なご家族ですね!
羨ましい!!
1. Posted by ママさん看護師   2012年04月22日 18:29
なすびさん園遊会ではお母さんにもお会い出来て楽しい時間をありがとうございました!
なすびさんの芯の強さはお母さん譲りなんでしょうね!
色んな意見があってこその人生ですが
意見とは自分の言葉で発しないと伝わらないし
時に人を傷着けますね
いつも貴女の言葉にハッと考え直されますよ!
本当にありがとう

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