病棟

2010年08月07日

ある夜の救命受付で。。。

普段忙しい救急救命の受付窓口も
珍しくホットラインも鳴らない静かな深夜帯を過ごしていました。

そんな時救急外来の受付口のインターフォンが鳴りました。
勿論深夜なので外来は締まっている時間帯。
救急搬送は救急車がメインなので救急車用ゲートの方しか
開いてないのですが、ごく稀に自家用車などで駆けつける患者さんが
インターフォンを使う事があります。

内容を伺うと
今から直ぐに堕胎手術をして欲しい!
そう訴えているのは17歳の女の子でした。

一応病状などの確認の為お話を聞こうと救命へ案内し
相談室を開けて「病状」を伺おうとしたのですが・・・

体調は異常なく、おなかの赤ちゃんの成長過程を伺おうと
話を進めると、まだ検診を受けた事がないと言うことでした。

それなのになんで堕胎術をしなきゃならないの?
その質問に、 「さっき分かれたから!」

つまり彼氏とついさっき別れたので、彼の赤ちゃんなんて要らない
そう安直に考えて、救急病院ならこの時間でもやってると思い
一人で家から自転車でやってきたそうでした。。。。

こうなると救命では対応できないので
ワーカーさんを呼んで引継ぎ、彼女にも説明して
まだ未成年なのでこの時間にこちらに居る事を御両親に伝える事や
迎えに来てもらうまで帰せない事を話したのですが

「親になんて知られたら困る。明日までに堕してよ」

だけどね、大体ちゃんと検診もしていないのに
なんで赤ちゃんが居るのかどうか分かるの?

それに手術をするってそんなに簡単なことじゃないのよ。
身体にも負担が掛かるし、あなたと赤ちゃんの命に関る事だから
ちゃんと検査したり慎重に準備しなきゃいけないの。

それにこの手術は法律的に相手の男性の同意も必要だし
未成年のあなたには保護者の同意も必要になるのよ。

そう諭していると急に泣き出して。。。
結局ワーカーさんが連絡した事でご両親が迎えに来て
その晩は帰宅されました。


17歳の女の子が、夜中に自転車に乗って
救急病院にやってきて、彼氏と別れたから
明日の朝までにおなかの赤ちゃん堕してください!

コンビニ感覚で堕胎術を考えられたら
お腹の赤ちゃんが可哀想過ぎます。

現代の性教育ってこんなものなのでしょうかね。。。






nasubi83 at 19:17|PermalinkComments(8)TrackBack(0)

2010年07月22日

熱中症は身近で起きます!

梅雨明け以降、こちらでは朝7時には30℃を超える猛暑!
皆さんのお住まいの地域でも、この暑さは同じでしょう!?

そんな猛暑の中、搬送が増えるのは熱中症。
これは結構思い当たるのですけれど・・・

この所、搬送されてくる時間帯が増えているのが早朝です!

今までの熱中症発症が多い時間帯と言うと
日中のお昼前から夕方頃までが多かったのですが
ここ数年、激増傾向にあるのが早朝の時間帯です。

患者さんもそれまでのクラブ活動中の学生さんや
日中外仕事で汗を流される方々が多かったのですが
早朝の時間帯にしめる割合の多くはご年配の方です!

夜間、布団の中で熱中症になる方が多く
朝方痙攣しているところをご家族に発見され119要請。
そう言うケースが増えています。

お歳を重ねるごとに室内温度の変化に気付くのに時間が掛かり
それほど暑くないからと、就寝時に冷房を付けなかったり
物騒だから窓は開けないで寝てしまうという方も多いようです。

勿論、このご時勢窓は閉めて寝るのは高層マンションでも
当たり前に成っていますが、室温の上昇がないように
寝付くまでは冷房を駆けて十分涼しくされる事や
就寝時にも扇風機などで空気の室内循環を心がけると
体調にも電気代にも優しいエコになると思います。

扇風機の風は直接身体にかからないように向きを調整し
冷房で涼んだ室温を上げないよう、上を向けてまわすと
上部の熱い空気が下がり、循環が起こるので体温上昇も
抑えられるといわれています。

自分では暑さや湿度を感じていなくても
篭った室内では発汗も侭ならず、体温調整が出来ずに
寝ている間に熱中症になっていますのでご注意くださいね!

特にお年寄りと同居されていらっしゃる方は
その室温管理にご留意されて、適切な就寝環境を
整えて上げられると、体調管理も兼ねていいのではないでしょうか!?


私も来週には久しぶりにお休みが取れそうなので
ランディ連れて実家に顔を出して来ようかと思います。

母に室温管理などと言うと、
「年寄り扱いして」と怒られるのですけれど・・・(^^;)




まだ暫く猛暑が続きそうですから
皆さんもどうぞご自愛のほどお忘れなくお過ごしくださいね!








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2010年07月16日

明日からです・・・

このところ通常の救命処置業務の合間を縫って
毎日のように会議やシュミレーションの実施訓練に明け暮れています。

その内容は、明日17日に全面施行を迎える改正臓器移植法!

今までのような脳死判定のみでなく、
新たに15歳未満の脳死下での臓器提供が可能になるため、
ガイドラインでは、臓器提供に係る意思表示や
小児の臓器提供を取り扱う医療施設、虐待児への対応などを
規定されています。

これに伴い何度もの確認会議や、実際に小児脳死患者さんの
搬送があった際のシュミレーションなどの実地訓練も連日行われ
救命の業務とあわせて可也現場は混乱している状態です。

でも時間は明日に迫っているので、もしかしたら明日にも
そのような症例が発生するとも限りません。

どのケースであろうと対応できる状態にしなければ
提供をする側・される側、どちらの患者さんやそのご家族にも
申し訳ありませんので疲れた身体に鞭打って訓練しています。


臓器提供のお話ばかりは、
病気にならないよう注意して・・とばかりは言えないもので、
どう手をつくしてもお力に成れない場合には
その臓器を大切に生への架け橋として、必要とされる患者さんが
何処かで待っていることも事実なのですから
提供する側・される側の立場の違いから、
一概にどうこう言えない問題です。

そして日本人の倫理観や精神論も加味される問題でも有るので
現場スタッフも無理じいすることも出来ないでしょう。

法律が出来て一年の告知期間を過ぎるというけど
それほど身近にこの法律が明日施行され
もしかしたら自分や家族がその対象になりうると
実際に理解されている国民がどれほど居るのかも疑問です。

いずれにしても一番最初にそう言う症例患者さんを
受け入れる可能性の高い私達は、万全の状態を維持していなければ
すべての患者さんに迷惑をお掛けすることになりますから
出来うるベストの準備をして備えなければいけないのですよね。


今しばらくこう言う忙しさが続くので、
更新頻度が落ちるかもしれませんが、よろしくお付き合い下さいね!









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2010年07月12日

う~ん、困ったぁ。。。

深夜の飲食店からの搬送でした。

現場の救急隊員さんからの報告から
恐らくアッペ(急性虫垂炎・盲腸)の疑いです。

本来アッペなら余程2次救急病院が一杯でなければ
こちらへ搬送されるのはそれほど多くは無いのですが。。。

患者さんは30代 男性!? 女性!?

この患者さんがうちへ搬送された理由共々理解できたのは
搬送先をことごとく断られた救急隊員さんの悲痛なレポからでした。

いくつかの2次救急へ受け入れ要請したそうですが
患者さんが定期的に大量のホルモン剤などを
接種している事から、専門医のいない2次救急では対処に困り
受入れを受諾できなかったそうでした。

もうお分かりの事と思いますが・・・
本当にたま~に、本当にごく稀にあるケースなのですが
この患者さんのお勤め先は所謂 「おかまBar」
身体は男性だけど気分は女性と言う患者さんです。

もっていた免許証には男性の名前が記載されているのですが
救急車に同乗してきたマネージャーと言う方は
患者さんを「レモンさん」と呼び続け、本名は知らないと・・・

確かに一見した容姿も、着ている物も女性そのもの!
私よりとっても女性らしい綺麗なお姉さんって感じの患者さんです。
悲しい事にバストなんて私よりズット立派なんですもの(^^;)

ただ色々な部分を美容整形されているので
代謝性障害などの懸念もあるためアッペといえども
慎重に処置を施し、数時間後には無事オペ終了!

安定した頃に救命のICUから一般病棟へ転棟することになり
外科病棟へ引き継いだ後のことでした。。。

外科では容態も安定している事から個室ではなく大部屋へ。
そちらへ引き継いでからも一騒動が・・・

外科の看護師はカルテを見て普通に男性部屋へ
ベットを割り振ったようなのですが
患者さんは周りが全員男性って事で可也ご立腹だったとか。。。

ここには居られないと部屋替えを要求され
希望は差額ベット代の掛かる個室ではなく
女性の大部屋だそうでした。

恐らく気持ちは100%女性なのでしょうけれど
本来は男性ですし、性同一性障害の患者さんでもないので
不用意に女性部屋へ配置するわけにもいかず
外科では対応に本当に困り果て個室の空きを探したそうですが
どこも満床の状態で受け入れられず
最後に思いついた先が慢性期の高齢者病棟。

おばあさん達の中へ看護師が了承を取付に伺い
やっと受け入れ先が決まったようでした。

術後観察もあるので暫くその病室で
おばあさん達と一緒に入院生活を送ることになったようですが
翌朝看護師が検診時に様子を伺いに行った際には
既におばあさん達に溶け込んでいて、
オネエ言葉で朝の挨拶を交わしていたそうでした(^^)


この話を私にしてくれたお友達の看護師さんが言うには
今ではおばあさん達のアイドル的存在になっているそうで
病室ではオネエ言葉で笑いが絶えないようですよ!

余り笑いすぎるとお腹の傷が痛むでしょうけれどね(^^)










nasubi83 at 14:23|PermalinkComments(8)TrackBack(0)

2010年07月05日

辛くても生きなきゃいけないんだ!

市販風邪薬の大量服薬にて意識懇談状態の20代女性の搬送。

服薬後、自分で家族に薬を飲んだ事を告げ
ご家族が119要請。
幸い生命に影響するほどの危険性は無い状況だったので
処置後間もなく意識もハッキリされ会話も出来るほどに回復。


搬送前に救急隊からの情報で確認していたのですが
この患者さん、2ヶ月ほど前にも自宅2階ベランダから転落
両足首捻挫などの怪我をされています。

大学在学中より就職活動がうまくいかず可也落ち込んでいて
卒業後は自宅に引きこもる状態が続き
ここへ来て、こうして何度かの自殺企図を繰り返され
ご家族も可也ナーバスになっている状態でした。

最初に運ばれた時にも担当した救命医が
今回も偶然担当に当たり、そのことを患者さんに話すと

「何で死なせてくれないの!」 と泣きじゃくり
ご家族も困惑顔で言葉が出ないほどでした。

そんな時、このDr.が患者さんに言った言葉が・・・

貴女が何度こうして自殺しようとしても
私はその度に全力で助けるよ!

辛いからって、自分で命を絶とうと考えるなんて。。。
この病院にはどれほど生きたいと願っていても
明日を迎えられない患者さんがいっぱい居るんだよ!

貴女には心配してくれる家族も居るし
何度でもやり直しの利く健康な身体があるんだから・・・


と、この辺りまでは救命医としての発言なのですが
本来この後は患者さんのメンタルケアを担当する心療内科へ
バトンを渡すことが多いケースです。

の、はずが・・・
このDr.がもう少し話を続けて。。。

貴女が2階から飛び降りた時も、そして今日だって
あなたと一緒にお母さんが心配して病院まで一緒に駆けつけ
もう直ぐお父さんだってこちらに着くって連絡が入ってるんだよ!

それだけ心配してくれる人のいることがどれだけ幸せだったか
多分貴女が小学生の頃にはきっと実感していたはずだよね。
父の日や母の日にプレゼント送ったり、
貴女の誕生日には祝ってもらったりしただろう?

それに引き換え、この俺なんて・・

医者になるのに2浪したよ。
うちが貧乏だったから公立以外行けなかったからね。
それに国家試験の前には合格が危ないと言う事で
留年させられたから人より3年も多く掛かって医者になったんだぞ。

人より時間掛かった分を取戻そうと必死で研修してたら
自分の事気にする時間も無くて結婚も出来ず
やっと見合いして嫁さん貰って子供が生まれてさ。。

仕事バリバリやろうとしたら、今度は俺が家に居ないからって
嫁さんが離婚届置いて子供と実家に帰っっちゃったし・・
父の日が来るたびに子供からのプレゼント期待するけど
まだ一回も貰った事ないんだよ。。。。
分かるか?そんな父親の気持ち!

「先生、チョッと話がズレています」 そう私が言うと

患者さんが、薄笑いを浮かべて
私の方を見ながら 「本当の話ですか?」って。

要するに、俺より貴女の方が心配してくれる家族もいて
ドンだけ幸せかって言いたんだよ!
その歳になっても子供は子供だからお父さんだって
仕事抜けてでも駆けつけようとしているんだから!

そうDr.が話す頃には、患者さんの顔に笑顔が浮かんで
逆に 「私がこんな事して先生を忙しくさせるからいけないんですね」
そう患者さんに心配される程になっていました。

そして
 「何かそういわれて少し気分が楽になった。 
   私もこんな事して迷惑かけていちゃいけないんですよね」って
少しづつ前向きに考え出され始めました。


こう言うケースの患者さんは、メンタルケアの必要度合いが
まだそれ程過度ではないので、自分を客観視できるようなら
こうして安定状態での会話は心に響く事もあります。

そして彼女は家族に今までの不安な心境を吐き出し
そこへ心療内科医も加わって一泊の入院だけで退院されました。

心療内科のDr.も 「あの状態ならカウンセリングだけで大丈夫」
そう仰られたので、もう自殺企図での搬送はないでしょう!


この救命Dr.が離婚されているのは知っていましたけれど
2浪していた事や留年してる事は初耳でした(^^)
そしてこの患者さんのケア度合いを見極めた上での
自分の身の上話で心を和ませたのか・・・
それとも単なる愚痴なのか!?

それは今のところ分かりませんが
そんなDr.の人生経験が、
一人の若いお嬢さんを前向きにさせたのだから
今回は立派な治療の一環と言う事にしましょう(^^)

何がどう転がるか分からないのも人生。
やはり生きている事が一番大事なことなのでしょう。
Dr.の言いたかった事って、そう言うことなのでしょうね!











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2010年07月01日

Stat Call !

高度救命に運ばれる患者さんの多くは
当然2次救急や3次救命でも手に負えないような
可也重篤なケースなどになります。

現場からの情報で受入れ時にある程度の容態予想をして
そこから推察できうる治療の準備を整えて待ちます。

それでも搬送途中での急変や想定以上の併発・患者数の増加など
可也困難な、そして現有スタッフだけでは対応が立ち回らない
緊急事態が発生する事が稀にあります。

そんな時に外来対応や病棟処置などをしていない、
つまり手すきのDr.やNrs.全員を呼び集めて緊急事態に対応する
その為の召集アナウンスが館内に流れる事があります。

隠語と言うほどではないのですが
そのアナウンスをStat Callと呼んでいます。
別名Code Blue. こちらの方が最近では耳にする事も多いのでは!?


W杯での日本チームの活躍をTVで見ようと
準夜勤務を終えて、早くおうちに帰ろうとしている時に
このStad Callが掛かりました。

夜中の0時を過ぎていたので全館放送ではなく
医局やナースステーション、そして各スタッフが持っている
モバイルへの一斉通知でした。

私も勤務を終えてはいましたが、
まだ着替える為に更衣室へ向かう途中だったので
急いで走って救命にもどると、他病院での出産直後
臍帯が咽喉に絡んだまま呼吸が出来ていない赤ちゃんの搬送です。

受入れ時は赤ちゃんだけの情報だったのですが
まるで追いかけるかのようにお母さんまで急変を起こし
既に脳出血を起こしている可能性が高い状態での受入れ要請でした。

それだけなら何とか救命スタッフで回るのですが
同時に交通外傷で心停止状態での患者さんの受入れ要請も・・・
その事故現場からは他に数名の3次対応患者さんも受入れを要請され
一度は他へ受入れてもらうようお願いしたようですが
他病院での対応も難しいようで受入れ可能病院が見つからないと・・・

現場の救急隊員さんもエリア外まで受け入れ病院を探したようですが
深夜の時間帯と言うこともありどこも色よい返事はなく
再度こちらへ受入れ照会が入り、スタッフが全員呼び寄せられました。

基本的に全員とは言え、この時間帯の病棟では
ルーティンをこなす最小限の看護師しか勤務していないので
駆けつけられるスタッフは医局や仮眠室に居たDr.や
各病棟で看護シフトに入っているCNやCNSだけなのですけれど。。


事故はバスが絡むものだったようで
けが人の数が当初可也多く見られていて
可能な限りの人数の受入れを要請されたのですが
救急車数台で搬送されてきた殆どが2次対応患者さんでしたので
なんとか無事にケアすることが出来ました。

また赤ちゃんは処置後呼吸も再開し既にNICUへ移り
予断は許さない状況ですが最初の波は乗り切ってくれたようです!
お母さんも脳出血は有ったものの処置が早かった事もあって
赤ちゃん同様危機を乗り越えてくださいました。
後は一日も早くお母さんの腕に抱かれて元気におっぱいを飲んで
思いっきり泣き声を上げられるようになるようケアするだけですね!

ただ交通外傷の患者さんのうちお一人は
搬送から一度も再鼓動することなく
お力に成れなかったことが悔やまれました。

一時は救命外来の廊下まで患者さんで一杯でしたが
夜が明ける頃にはその殆どが処置を終え帰宅されて行きました。
私がひと段落して救急車搬送口へ出た頃には
お日様は既に可也高い位置に達していましたよ(^^;)

準夜から深夜勤務と連続20時間勤務になりましたが
Stat Callにも対応できたとは言え
すべての患者さんを救えた訳でもなく
お力に成れなかった患者さんのご遺体に
お焼香をさせていただいて帰宅しました。
ついさっきまで一緒に戦っていたのに
これくらいしか出来ないのがもどかしいです。。。

ちょっと重い気持ちで帰って来たのがお昼過ぎ。。
そしてその夕方から又通常の準夜勤務に就いたので
殆ど寝ていない状態です。


そしてもう一人、予定外の勤務で困った顔しているのが・・・

ランディはこの日のお散歩に連れて行ってもらえずに
チョッと淋しい思いをさせてしまいました。

なので、今朝方勤務から戻った夜中の2時過ぎに
二人で近所を静かにお散歩してきました。

お腹も空かせてしまって可哀想な思いをかけてゴメンね!
でも静かにネンネして待っていてくれるので
ママは安心してお仕事できるのよぉ!

いつの間にかW杯もクライマックスを終えていて
時節は夏の7月になっていました。
明日はもう半夏粧ですね。。。

日々の流れの速さに圧倒されながらも
ランディには、「今度のお休みには一杯遊ぼうね!」

そう言って又今夜も勤務に就きます。。。
















nasubi83 at 15:07|PermalinkComments(4)TrackBack(0)

2010年06月24日

お母ちゃん、会いたいよ。。

お母ちゃん、会いたいよ。。。

それがこの患者さんの最期の言葉でした。
90代男性、倒れられるまでは見当識障害も無く
かくしゃくとされたおじいさんだったようでした。

日課にされている朝の散歩から戻った際に
ご家族が何処かで転倒されたような跡に気づかれ
何度か問いただしても恥ずかしいのか返答されずに
服を着替えられていたそうです。

着替えた服には失禁の痕も有ったようで
恐らくそう言った事を知られたくない気持ちが有ったのでしょう。

着替え終わった頃を見計らって様子を伺いに行くと
気分が悪いと胸を押さえれて横になっていたので
暫く様子を見ていたそうですが、余りに苦しそうなので119要請。


こちらに搬送された時も、私達との受け答えも可能で
呼吸を楽にする処置をしながらも苦しさの割には
確りされた患者さんと言う印象を受けていました。

ただ苦しさの原因は予想したように
肺機能の低下で酸素が取り入れられない状態。

恐らく転倒時に胸部打撲があり
肋骨の一部が肺に食い込むような状態で損傷
緊急オペの準備をしている時でした。

薄れ行く意識の中で発した言葉が。。。

「お母ちゃん、会いたいよ」



高齢者にありがちな容態の急変。
急激なレベルダウンで間もなく呼吸停止。

普段は一人で散歩するほど確りされている患者さんと言う事もあり
年齢に捉われずに救命措置を施せると判断されたのですが
心マを続けながらの処置にも反応が無く・・・



突然の悲しいお別れの際に、付き添われたご家族へ
最期のお言葉を伝えたのですが。。。

「じいちゃんは強い男と言う印象だから
 母親を呼ぶなんて・・・
 自分ももう直ぐそっちへ逝くよって思ったのかな」









nasubi83 at 12:38|PermalinkComments(4)TrackBack(0)

2010年06月17日

頑張ってね。 ありがとう。。。

退院日の廊下での挨拶風景です。

退院されていく患者さんやそのご家族が
病室でお友達になった患者さんへ     「頑張ってね」
それを受け、残った患者さんが       「ありがとう」

救命では直接退院となるケースは稀ですが
転棟できる患者さんも、その嬉しさは退院と同様かも知れません。

そして残されて行く患者さんは送り出す嬉しさと伴に
自分も一日も早く転棟・退院できるよう頑張る思いでしょう。


ホンの数文字の言葉のやり取りの中で
暖かい思いを感じさせられます。

私達が行う医療的サポートとは異なり
相手を思う気持ちの優しさも大事なケアエッセンスです。

こうして皆で早期回復をお手伝いできる事は嬉しいですね!








nasubi83 at 14:17|PermalinkComments(6)TrackBack(0)

2010年06月15日

誰が悪いのか!?

週末土曜日の午後の搬送。

人出に混み合うショッピングモールのフロアで
杖を突いて歩いていた90代男性が
走り回っていた5歳と3歳の兄弟にぶつかられて転倒。

頭部打撲及び鎖骨骨折の重傷患者さんでした。

ご家族とランチをしに車でモールへ出かけられ
食べ終わった後にお店を出てコンコースを歩いている時に
後方からふざけながら走り回っていた子供達が衝突。

怪我の様子から前のめりに倒れているようなので
杖を払われたかのような状態だったようです。

外傷から出血が有り、患者さん本人やそばにいたご家族も驚き
ショップ店員さんに119要請を依頼。 
搬送時の頭部レントゲンには異常はないものの
足の悪い高齢者には鎖骨骨折も今後可也な負担になるものです。


処置が済んでDr.と一緒にご家族へ説明に伺った時には
ぶつかった子供達の父親と言う方が来ていました・・・

先ずは処置が済んで間もなく面会も可能と言う事と
頭の怪我があるので暫くは安静にして経観入院が必要な事
そして骨折部位のリハビリなどについての説明や
質問への回答をしている時でした。

子供達は母親と既に帰宅しているということでしたが
この父親が発した言葉に患者さんのご家族が猛反発!

父親 「大した怪我じゃなくて良かった。混んでる場所だったし
     子供のした事だから間が悪かったって事ですね」

これには流石に一緒にいた私達も唖然としました。

患者さんのお孫さんと言う30代の男性が行き成り掴みかかり
Dr.が割って入るほどの剣幕で一触即発状態。
直ぐに警備の人に来てもらって二人を引き離したのですが
治まらない気持ちの患者さんのご家族が警察を呼んで
傷害事件としての処理をするようにしたようです。

もし打ち所が悪ければ、骨折で済む問題ではなかったでしょうし
この状態でも高齢患者さんには
今後の生活スタイルが大きく変わるかもしれません。

子供のした事といえばそれで済むのでしょうか!?

混雑する場所で子供がふざけまわったら
一緒にいる親は注意義務があると思うのですが。。。

そして患者さんは現に大きな怪我をされているわけですし
まるで「杖を突くような高齢者は混んだ場所へ来る方が悪い」と
言わんばかりの軽率な発言には
この父親の頭の中が判るような気さえしてしまいます。


兎に角私達にできるのは
この患者さんのケアに尽くし、早期回復をお手伝いするだけですが
何とも言いがたい悲しい発言でした。。。

こう言う親御さんが増えて来ているのでしょうかね!?













nasubi83 at 15:47|PermalinkComments(12)TrackBack(0)

2010年06月11日

現場出動!

準夜帯の出勤まもなくDr.Car要請が入りました。

日勤帯のスタッフから引き継いで数分と言う時間だったので
まだ初療室の状況などの把握にバタバタしているうちに

 「とりあえず、なすびとエマージェンシーで行くから!」

現場へ出るDr.がそうスタッフに告げると
私に目で合図してドクターカーの方へ走り出しました。

でもDr.何を焦ったのか!?  手ぶらなんですよ(^^)
声を掛ける時間が勿体なので、Dr.用のエマージェンシーバックと
Nrs用のそれと2個のバックを担いで私も後を追いました。
でも、二つ持つと重くて走れないんです。。。

帰ってから聞かされた話では
そんな私の後姿を見ていた他のDr.達は大笑いしていたそうです。。
ヨタヨタ走っていたのでしょうねぇ。。。


現場は工作機械部品を作っている工場でした。
プレス機のような機械に右手肘間接から先を挟まれた形で
患者さん本人はショック状態で顔面蒼白のうえ
呼びかけに呼応も出来ない状態でした。

機械自体の分解が既に始まっていて
その作業の脇から患者さんの状態を安定させるために
処置を行いたいのですが、腰から先が機械側へ倒れこんでいるので
大柄なDr.では患者さんの上半身に手が届かず、
私が機械の下側にもぐりこんでマスクやラインを設置・確保。

その際、機械の下の床は既に流れ出た血液が溜まり
潜り込んだ私の背中が真っ赤に染まるほどの出血量で
その多さから心臓への負担が懸念されます。
一刻も早く適切な処置を開始しなければならない状態でした。

程なくして分解作業が終わり患部が見えたのですが
挟まれた腕の状況が思いのほか良かったんです!

機械の仕組みを聞いていたDr.はもしかしたらここで切断も考え
状況によっては修復も困難だろうと思っていたそうです。

搬送可能な状態になると同時に
いくつかの処置を施しながら意識は戻らないままでしたが
病院まで帰る事ができました。

車中から既にオペ準備などの要請もしてあったので
到着と同時に各科専門医も含めた大掛かりなオペに入り
ご家族の方も駆けつけてこられました。


肘から先の骨は何箇所も複雑(粉砕)骨折していて
表皮の状況も余り芳しくないのですが
指先まで神経は何とかは頑張っていたようで
何度かの手術を繰り返す事にはなるでしょうけれど
ご自身の腕でまたお茶碗お箸を持って食事が出来る日も
来るだろうと言う明るい兆しもありました。


私はご家族や同僚上司の方へ病状を報告するために
待合室に行こうとしたのですが・・・

 「なすび、人前に出るなら先ず着替えろ!」

そう声をかけてくれたのはセンター長の教授でした。
自分では既に忘れていたのですが
背中からお尻、そして踵の辺りまで血液で真っ赤。

その格好でご家族の前へ出たら、心労を仰ぐ事になりますね。
しかもこう言う時、自分では無意識の内に忘れているのですが
血なまぐささとか、べっとり感という感覚が抜けてしまい
鏡を見るか人に言われて我に返るまで忘れている事がしばしば。

急いで着替えて髪の汚れは無水シャンプーでササッとふき取り
患者さんの最新情報をオペ室に再確認して
ご家族の元へ急ぎました。

救出状況を見ていた会社の方達は
「良くて命が助かれば・・・」とか「あの出血では・・・」など
悲観するしかなかったようでしたが
私が腕の修復についても明るい兆しが持てる事を伝えると
皆さん命が助かった事への信じられない喜びからか
抱き合って涙されていました。

ご家族や同僚の方が

 「最初は救急車が来たって乗せられないからダメかと思った
  そしたら医者が来てくれたんで少し希望が持てたけど
  機械が外れて怪我した腕を見たら、腕は無理だと思ったよ」

そんな話をされ

 「医者や看護師が来てくれて、ここへ運ばれて助かった」

そうお褒めの言葉を頂いたのですけれど・・・
本当に頑張ったのは患者さんご自身なのですよ。

もしあの怪我を私がしたら、多分心臓が持たないだろうと思うし
Dr.が駆けつけても中々搬送されなければ意識も薄れ
精神的にマイってしまい諦めてしまうかも。。。

だからやはりこれは患者さん自身の強靭な体力と
助かりたいと願った精神力だろうと思います。

でも本当に辛いのはこれからのリハビリでしょう。
それをご家族や同僚の方々で支え合って頂ければ
きっと早期社会復帰も可能だろうと思います。

本当に患者さんに救われた現場出動でした。。。












nasubi83 at 13:37|PermalinkComments(6)TrackBack(0)
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